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2019年11月14日 (木曜日)

どこを切っても「ベノワ節」です

ジャケットの写真を見て、この人、幾つになったのかな、とまず思った。デヴィッド・ベノワ(David Benoit)。1953年生まれなので、今年で66歳。そうか66歳か。ちょっと歳を取り過ぎている雰囲気が気になる。ここは現在の「姿形」の写真を使わなかった方が良かったのでは、と下世話に思う。

『David Benoit and Friends』(写真左)。今年8月のリリース。デイヴィッド・ベノワが豪華ゲストを迎えたスムース・ジャズ盤である。パーソネルを見渡すと、 Dave Koz, Marc Antoine, Rick Braun, Vincent Ingala, Lindsey Webster 等々、スムース・ジャズの「手練れ達」がずらりと名を並べる。

ここまで優秀なメンバーを集めると、演奏のテクニックと表現力については申し分無い。あとはリーダーの統率力と演奏のアレンジである。まあ、この優秀なメンバーを生かすも殺すも「統率力とアレンジ」次第ということだが、ベノワ翁については全く問題無い。この盤の冒頭の「Ballad Of Jane Hawk」を聴くだけで直ぐ判る。
 

David-benoit-and-friends-1

 
この盤、徹頭徹尾、どこを切っても「ベノワ節」満載。ちょっと懐かしさを感じる、フォーキーでネーチャーで印象的なフレーズの数々。シュッとした透明度の高い「深めのエコー」。歩くテンポがメインの「ベノワ・ビート」。演奏全体の雰囲気は明快に「スムース・ジャズ」。クロスオーバーでもフュージョンでも無い。このベノワの音世界こそ「スムース・ジャズ」である。

ベノワのキーボードは完璧に「スムース・ジャズ」の響き。そんなベノワのキーボードにディヴ・コーズのサックスが映える。リンジー・ウェブスターの艷やかなヴォーカルがもそこはかと無くファンキーでビューティフル。マーク・アントワンの「スムースな」アコギが実にムーディー。そこに少し聴くだけで判る、ベノワ独特のアレンジ。

ラストのコールドプレイの「Viva La Vida」が絶品。ベノワのアルバムを聴いていると「スムース・ジャズ」もええなあ、と思う。ベノワのスムース・ジャズは「硬派で骨太」。軟弱なところ、聴き手に迎合するところは全く無い。ベノワのスムース・ジャズは「プロの技」。聴き応え十分。我が国で人気がイマイチなのが不思議なくらいである。
 
 
★東日本大震災から8年8ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
Never_giveup_4
 
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