またまたコルトレーンの未発表盤
21世紀に入って、今年は2019年。コルトレーンが亡くなったのが1967年。既に、コルトレーンが亡くなってから52年が経過する。さすがにもう未発表音源のリリースは無いだろうと思っていた。しかし、今年も再び、未発表音源の発掘そしてリリース。未だにコルトレーンの未発表音源の発掘があるんやなあ、と改めて感動した。
今回は「未発表音源の発掘〜リリース」というよりは、公にされていた音源ではあるが、オリジナル音源の流用と思われていたものらしい。今回のアルバムのリリースの資料を読むと、「1964年6月、カナダ国立映画制作庁の委嘱で、フランス語映画「Le chat dans le sac (英題:The Cat in the Bag)』(日本未公開)の為に、黄金のカルテットを率いてルディ・ヴァン・ゲルダー・スタジオにて録音された音源」とのこと。
しかし、である。資料は続く。「当時、映画の為に使用された5曲は、いずれもコルトレーンのオリジナル曲の再演であったため、熱心なファンの間でも映画にはオリジナル・ヴァージョンが使用されているものと思われており、映画用に再録音されたものであるとは長らく知られていなかった」。つまり、映画に使用された音源はオリジナル・ヴァージョンでは無く、映画用に再演され新たに録音されたもの、だった訳。
John Coltrane『Blue World』(写真左)。1964年6月24日、NY New Jerseyの「Van Gelder Studio」での録音。ちなみにパーソネルは、 John Coltrane (ts, ss), Jimmy Garrison (b), Elvin Jones (ds), McCoy Tyner (p)。黄金のカルテットである。セッションの全音源(合計8テイク)がフル・ヴァージョンでまとめられている。ジャケット・デザインも良好。
今回はオリジナルでおなじみの楽曲ですが、確かにオリジナル・ヴァージョンを意識して聴くと、確かに「違う」。熟成されたワインの如く、オリジナル・ヴァージョンよりも、リラックスした雰囲気の演奏で、穏やかに聴こえます。熟れた演奏と形容したら良いのか。明らかにオリジナル・ヴァージョンの演奏時より、円熟、熟達のレベルで充実している様に感じます。
ライナーノーツの抜粋では「コルトレーンが既に録音した曲をふたたびスタジオ録音することはなかったという意味で、このアルバムは貴重な存在なのだ」としている。本レコーディング・セッションに関する当時のレコード会社にスタジオ使用の記録が残っていなかったらしい。そりゃ〜、この映画のために、改めて録音したという事実は、コルトレーン研究家の間でも知られていなかった訳ですね。
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