ブレッカー兄弟のトリビュート盤 『Rocks』
ジャズの新盤を漁っていて、僕がジャズを聴き始めた頃、今から40年前から活躍し続けている、レジェンド級のジャズマンの名前をリーダー作で見かけた時は居抜きで嬉しくなる。最近、レジェンド級のジャズマンが一人一人鬼籍に入っていくので、とにかく寂しい。そんな中、まだまだ現役、溌剌としたリーダー作をリリースしているのを見ると、ホッとするやら嬉しいやら。
Randy Brecker & NDR Bigband『Rocks』(写真左)。2017年1月と2018年5月の録音。主なパーソネルは、Randy Brecker (tp, flh), David Sanborn (as), Ada Rovatti (ts, ss), Wolfganf Haffner(ds)、そしてNDR Big Band。ランディ・ブレッカーのトランペットとデイヴィッド・サンボーンのアルト・サックス。フュージョン・ジャズのレジェンドの名前を見つけてワクワクする。
この盤、伝説のフュージョン・ファンク・バンド、ブレッカー・ブラザーズで活躍したトランペッター、ランディ・ブレッカーがメインのアルバムである。この盤を聴いていると、どこかで聴いたことがあるフレーズがどしどし出てくる。それも、1970年代後半、フュージョン・ジャズ全盛時代、僕がジャズを聴き始めた頃に、しばしば聴いた事のあるフレーズ。
そう、それもその筈、この盤、ブレッカー・ブラザーズゆかりの楽曲を中心にした選曲したアルバムなのだ。冒頭の「First Tune on the Set」の出だしのフレーズを聴くだけで「あぁ、これはブレッカー・ブラザーズの音だ」と直ぐ判るほど個性的なフレーズ。今をときめくNDR Big Bandとの共演ですが、ビッグバンドもそのブレッカー・ブラザーズの楽曲の持つファンク的な雰囲気に合わせていて、トータル・サウンドとしても、なかなか格好良い。
NDR Bigbandのベーシスト、クリスティアン・ディーナーだろうか、ベースの音が実に良く効いている。ブレッカー・ブラザース独特のグルーヴ感の再現にかなり貢献している。そして、メロディーを再現するのは、ランディのトランペットとサンボーンのアルト・サックス。盟友の二人が年齢を全く感じさせない、時に激しく、時に優しく、成熟した奥の深い溌剌としたブロウを聴かせてくれる。
NDR Bigbandの演奏については申し分無い。そのドライブ感、その迫力、その疾走感、どれをとっても超一流。現代のトップクラスのビッグバンドだけある。ビッグバンドでこれだけファンクネスを醸し出すことが出来るなんて、思ってもみなかった。アレンジも良好で、フュージョン・ファンクなサウンドを上手く再現して立派。ブレッカー・ブラザースのトリビュート盤として秀逸な内容。好盤です。
東日本大震災から8年5ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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