« 欧州での純ジャズの「深化」 | トップページ | 4300番台の発掘リリース盤・2 »

2019年8月21日 (水曜日)

4300番台の発掘リリース盤・1 『Roots & Herbs』

ブルーノート・レーベルの4300番台は、リアルタイムで録音してリリースした盤と、以前に録音したが、何らかの理由でお蔵入りした音源を発掘リリースした盤とが混在している。理由は良く判らない。ただ、1960年代終盤、ロックとソウルが台頭し、音楽人気のメインになった頃。それでも、ハードバップやモード・ジャズは人気があったということなんだろうか。
 
ブルーノートの4300番台は、ブルーノートの創始者アルフレッド・ライオンが、ブルーノート・レーベルを大手レコード会社リバティーに売却した後、スタートしたシリーズ。当然、売上が大前提だったはず。リアルタイムでの録音は、当時の流行を反映しているので、そこそこ売れたとは思うのだが、発掘リリースの音は、ハードバップやモード・ジャズ。時代遅れではあるのだが、やはり売れ筋やったんやろな。

Art Blakey & The Jazz Messengers『Roots & Herbs』(写真左)。BNの4347番。 1961年2月と5月の録音。ちなみにパーソネルは、Art Blakey (ds), Lee Morgan (tp), Wayne Shorter (ts), Bobby Timmons, Walter Davis, Jr. (p), Jymie Merritt (b)。フロント2管のクインテット構成。プロデューサーは、この頃はもちろん、ブルーノートの総帥、アルフレッド・ライオン。
 

Roots-herbs

 
ウェイン・ショーターがテナー・サックス担当。ということは、この盤の音は「モード・ジャズ」。パーソネルを見渡すと、ジャズ・メッセンジャーズの音楽監督が、ベニー・ゴルソンから、ウェイン・ショーターに交代した頃。もしかしたら、まだ、モード・ジャズがジャズ・メッセンジャーズとして、熟れてなかったのかなあ、と思ったが、この盤の音を聴くと「それは違う」。
 
とっても魅力的な、とっても個性的なモード・ジャズが展開されている。しかも、どのモード・ジャズな演奏にもファンクネスが色濃く漂う。不思議な響き、ミステリアスな響きの、ファンキーがかったモード・ジャズ。この頃のショーターって、音楽監督になって覇気が溢れていたのだろう、自作のモード曲のミステリアス度、斬新度が非常に高い。一聴して直ぐに「モードやなあ」と判るほどの尖りぶり。
 
この『Roots & Herbs』、ブルーノート・レーベルのモード・ジャズ盤として「隠れ好盤」な一枚である。という非常に優れた内容でありながら、このジャケットはどうだろう。いや〜酷いジャケットですねえ。往年のブルーノート・レーベルの優れたデザインのジャケットはどこへ行ったのか。とにかく、ブルーノート4300番台のジャケット・デザインは押し並べて劣悪。これが実に残念。でも、この盤、モード・ジャズの好盤です。
 
 
 
東日本大震災から8年5ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
Never_giveup_4
 
Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

« 欧州での純ジャズの「深化」 | トップページ | 4300番台の発掘リリース盤・2 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 欧州での純ジャズの「深化」 | トップページ | 4300番台の発掘リリース盤・2 »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  

カテゴリー