4300番台のリー・モーガンです
ブルーノート・レーベルの4300番台は「ブルーノート・レーベルらしい」ところと「ブルーノート・レーベルらしくない」ところ、とが混在している。そこが面白いと言えば面白いし、そこが問題と言えば問題。ここでは面白いところだけに着目して、この混沌とした4300番台を楽しみたい。
今日はリー・モーガンを聴く。Lee Morgan『Charisma』(写真)。ブルーノートの4312番。1966年9月29日の録音で発売は1969年。当時の「お蔵入り発掘盤」の一枚である。ちなみにパーソネルは、Lee Morgan (tp), Jackie McLean (as), Hank Mobley (ts), Cedar Walton (p), Paul Chambers (b), Billy Higgins (ds)。モーガンのトランペット、マクリーンのアルト、モブレーのテナーの3管フロント。
この3管フロントのユニゾン&ハーモニーをベースとしたジャズ・ロック、そしてソウル・ジャズ。レトロな8ビートに乗って、モーガンが鯔背に粋に吹きまくる。マクリーンもここではファンクネスを撒き散らして、ちょっとピッチの外れたアルトを吹きまくる。そして、この盤ではモブレーのテナーが元気だ。フロント3管がこれだけ元気だということは、この盤は内容的に期待出来るということ。
全編に渡ってピリピリしたところが無い。ゆったりリラックス・ムード満載なところが良い。フロント3管、バックのリズム・セクション、皆、リラックス・ムード満点に演奏しまくっている。ということで、この盤の演奏はどれも、悠然としたノリがとても心地良い。角が程良く丸まって、音の芯がグッと耳に迫ってくる、ポジティブでファンキーなジャズ・ロック。曲良し、アレンジ良し、演奏良し、揃いも揃った3拍子。
このヒッピー・ムーヴメント風の「サイケデリックな」ジャケットのデザインで損をしている様に感じる。これ、ちょっと趣味が悪い。ブルーノート・レーベルらしくないところだが、これには目をつぶって、この盤に耳を傾けて欲しい。冒頭の「Hey Chico」はラテン風ジャズロック。いかにもモーガンらしいフレーズが満載。この1曲だけでこの盤は「イケる」と感じる。
2曲目「Somethin' Cute」、そしてラストの「The Double Up」もモーガンの作曲で、これもいかにもモーガンらしい曲。モーガン節炸裂で、モーガン者には堪らない。気軽に聴ける「ジャズ・ロックの好盤」。時は1966年、イージーリスニングやポップスに迎合しない、良質のジャズ・ロックがここにある。ジャケットに惑わされず、意外と好盤です。
東日本大震災から8年4ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
« 今のジャズ演奏のレベルの高さ | トップページ | 主役と仕掛け人が手柄の好盤 『Bashin’』 »
コメント