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2019年7月21日 (日曜日)

普遍的なジャズの良さが満載

最近、ニュー・ジャズ系の盤や昨年リリースの新盤を多く聞いている。これらの盤でのジャズ演奏のスタイルは「モード・ジャズ」もしくは「スピリチュアル・ジャズ」。ハードバップ風の演奏もどこか今風のトレンドが見え隠れする「ネオ・ハードバップ」。どれもが21世紀に入った現代の先端を行く音世界。と、ふと古き良き時代のハードバップが聴きたくなる。

それもドップリとハードバップした盤が良い。何が良いかな〜と選盤していたら、ふと「ヴァーヴ・レーベルの名盤たち」という特集を目にした。ヴァーヴ・レーベルかあ。プロデュース面でちょっとコマーシャルなところはあるが、内容的には「こってこてのハードバップ」がメイン。それも1950年代前半の「ハードバップ初期から中期」の盤がノスタルジックで良い。

『Lester Young With The Oscar Peterson Trio』(写真)。1952年11月の録音。ちなみにパーソネルは、 Lester Young (ts, vo), Oscar Peterson (p), Barney Kessel (g), Ray Brown (b), J. C. Heard (ds)。テナーサックス奏者のプレジデント(代表)という意味のニックネーム「プレス(Pres )」こと、レスター・ヤングのリーダー作である。全く久し振りに「プレス」のテナー・サックスを聴いたのだが、これが実に良い。
 

Lester-young-with-the-oscar-peterson-3

 
もっとオールド・スタイルしていて、聴いていてちょっと耳がくすぐったい感じかなあ、と思っていたのだが、どうして意外と「モダン」なテナーにちょっとビックリした。ビブラートもあまりかかっていなくて、耳に付かない。実に味のある吹き回しで、特にバラードの印象的な吹きっぷりは素晴らしい。時代を越えて「普遍的な感動」に値する。バックのオスカー・ピーターソン・トリオ+ギターの伴奏も実に良い味を出している。

リズム&ビートを担うドラムの J. C. ハードがスイング風だが、逆にギターのケッセルがモダンなリズム&ビートを繰り出していて、しっかりとバランスを取っている。ピーターソンのピアノはとにかく味があって上手い。レイ・ブラウンのベースは躍動感とベースラインが当時として目新しく、演奏全体の雰囲気を「モダン」な雰囲気に引っ張り上げている。レスター・ヤングは「Two To Tango」では渋いボーカルも披露している。

これがまた「小粋なハードバップ」な雰囲気を醸し出していて、とっても良い雰囲気なのだ。この盤、プレスの深いニュアンスを持った演奏&歌声が確実に印象に残る。高速テクニックとは全く無縁の余裕のある、ゆったりとした演奏なのだが、これが「良い」。この盤に詰まっている音が、何時の時代にも愛でることが出来る「普遍的なジャズの良さ」では無いか、と思わず思ってしまう。
 
 
 
東日本大震災から8年4ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
Never_giveup_4
 
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