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2019年7月27日 (土曜日)

初期の充実内容のライブ盤 『Stan Getz At the Shrine』

スタン・ゲッツはスタジオ録音よりもライブ録音の方が、個性と真価を発揮する。もともとアドリブ・フレーズのイマージネーションの豊かさが身上なので、演奏の仕直しが出来るスタジオ録音より、一発勝負のライブ録音の方が、ゲッツのアドリブ・フレーズのイマージネーションの豊かさをより感じることが出来るのだ。

『Stan Getz At the Shrine』(写真)。1954年11月、ロサンゼルスの「Shrine Auditorium」でのライブ録音。ちなみにパーソネルは、Stan Getz (ts), John Williams (p), Bill Anthony (b), Bob Brookmeyer (Valve-tb), Art Mardigan [#1-8], Frank Isola [#9-10] (ds)。フロントのパートナーに、バルブ・トロンボーンのボブ・ブルックマイヤー。優しく柔らかな吹き味の二人の共演である。

スタン・ゲッツについては、彼のキャリアの初期の頃、ビ・バップからハード・バップへの移行期の頃のゲッツのテナーは魅力的、というが、このライブ盤はちょうどその期間の最後の時代。テクニック的にも、演奏の展開のトレンドとしても、ほぼ成熟した感じのブロウがとても素敵である。加えて、この時期のゲッツは意外と「力強い」。そんな「クールで繊細で流麗で力強い」スタン・ゲッツがこのライブ盤に充満している。
 
 
At-the-shrine-stan-getz
 
 
素敵な内容のライブ盤で、ゲッツを始め、メンバー全員がノリノリで演奏している雰囲気が伝わってきます。まずは主役のゲッツのテナーが良いですね〜。アドリブ・フレーズの展開は流麗で個性的。ライブならではの適度なテンションが良い方向に作用しているなあ、と感じる。ゲッツのインプロバイザーとしての優れた資質が聴いて取れます。

また、このライブ盤で特筆すべきは、ゲッツとブルックマイヤーの絡み。「Pernod」での無伴奏のイントロの2管同時ソロに思わずニンマリし、「I'll remember april」での説妙な二人の絡みに喝采し、ブルックマイヤーの名曲「Open County」では、2人の絡みによるフレーズが印象的で、この曲のベストテイク的な内容に仕上がっている。

ノりまくっていて、名曲ぞろいのこのアルバム、ライブ録音がLPレコード1.5枚分あったのですが、どの演奏も削るに惜しい内容。ということで、急遽、翌日にスタジオ録音追加して、LP2枚分のボリュームにしたとか。その翌日追加のスタジオ録音も内容が良く、前日のライブと合わせて、当時の米国西海岸ジャズの充実度を強く感じる、良い内容のライブ盤です。ゲッツ盤の聴き直しにはマスト・アイテムですね。
 
 
 
東日本大震災から8年4ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
 
Never_giveup_4
 
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