ブルックマイヤーの決定盤です
我がバーチャル音楽喫茶『松和』では、この初夏の季節はトロンボーン・ジャズの季節である。5月のGWが終わって、グッと気温が上がって湿度が上がってきたら、毎年、なんだかトロンボーン・ジャズが聴きたくなってくる。不思議なことだが、決まって毎年である。あのトロンボーンのホンワカ、ホノボノととした音色が、僕の中ではこの初夏の季節にぴったりフィットするのかもしれない。
トロンボーン・ジャズの名手と言えば、J.J.ジョンソン、そして、カーティス・フラー。僕の中ではこの2人が圧倒的な存在。そして、続くは「ボブ・ブルックマイヤー(Bob Brookmeyer)」かな。1929年、カンザスシティー生まれ。2011年に鬼籍に入っている。1954年にデビュー作をリリースしてから、毎年一枚のペースでリーダー作をリリース。しかし、1965年から1977年までブランクがある。
西海岸でスタジオ・ミュージシャンになり、アルコール依存症に陥っていた。しかし、この依存症を見事克服し、NYに戻っている。復活を遂げた時点での素晴らしいライブ録音がある。『The Bob Brookmeyer Small Band』(写真左)。1978年7月、Sandy's Jazz Revivalでのライブ録音。ちなみにパーソネルは、Bob Brookmeyer (tb), Jack Wilkins (g), Michael Moore (b), Joe LaBarbera (ds)。
マサチューセッツ州ビバリーのナイトクラブでのライブ録音。このライブ盤は、リリース当時LP2枚組。トータル時間約2時間弱のボリューム。スモール・バンドといっても、編成はギター・トリオをバックにした、ブルックマイヤーのワンホーン編成。ブルックマイヤーのトロンボーンの技と力量を心ゆくまで堪能出来る。ソロ、デュオ、トリオ、ワンホーン・カルテット。様々な編成の演奏が楽しめる。
バックのリズム・セクションの演奏レベルも高い。ドラムのラバーベラの音が素晴らしい。ベースのムーアの音も良い。味のあるウィルキンスのギターも捨てがたい。いずれの楽器もブルックマイヤーのトロンボーンとの相性はとても良い。よくこれだけの人選をしたもんだ。ブルックマイヤーのトロンボーンの良さを惹き立てる。
J.J.ジョンソンほどでは無いが、ブルックマイヤーも相当に上手い。硬軟自在、緩急自在、強弱自在。しかも、演奏自体のアレンジがまた良い。とりわけブルックマイヤーの歌心が最大限に表現されている。トータル時間2時間弱が全く飽きない。このLP2枚組のライブ盤で、ブルックマイヤーのトロンボーンの全てが理解出来る。そんなライブ好盤である。
東日本大震災から8年2ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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初めまして。ボブ・ブルックマイヤーは50年前の高校生の頃にギターのジミー・レイニーとの共演盤で初めて知りました。私の記憶だとブルックマイヤーはバルブトロンボーンだったと思うのですが違ってたかな。今日、このブログを初めて知りましたが、今後も楽しみにしております。宜しくお願いします。
投稿: 小瀧 晴海 | 2019年5月17日 (金曜日) 11時34分