ジャズ喫茶で流したい・145
僕はこのドラマーの音が、このドラマーが創造する音が好きだ。初めて聴いた時からズッとだ。そのドラマーの名前は「ブライアン・ブレイド(Brian Blade)。1970年7月、米国ルイジアナ州生まれ。現時点で48歳。脂ののりきった中堅ジャズマン。こんなにユニークなドラミングが聴けるとは思ってもみなかった。
硬軟自在、変幻自在、緩急自在、音の音色の豊かさ。変な喩えなんだが「パーカッションらしいドラミング」。従来のジャズ・ドラミングに無い、メロディアスなドラミング、とでも表現しようか。とにかく良い意味でユニークなドラミングなのだ。聴いているだけで、これだけ「面白い」ドラミングなのだ。一緒に共演して演奏したら、どれほど楽しいのだろうか。今では「ファースト・コール」ドラマーの一人である。
Brian Blade Fellowship『Perceptual』(写真左)。1999年9月の録音。ちなみにパーソネルは、Brian Blade (ac-g, ds, vo), Kurt Rosenwinkel (ac-g, el-g), Christopher Thomas (b, vo), Myron Walden (b-cl, as), Melvin Butler (ts, ss), Jon Cowherd (p, key), Dave Easley (steel-g), Daniel Lanois (ac-guitar, steel-g), Joni Mitchell – vocals ("Steadfast")。錚々たる同世代がメインのメンバー「Fellowship」。
この『Perceptual』はフェローシップとしての作品の第2弾になる。米国の広々とした自然や空間を想起する、僕が勝手に呼んでいるのだが「ネイチャー・ジャズ」。パット・メセニーの音世界に近いものがある。これが僕にとっては「大好物」なのだ。美しい、とても印象的な演奏。メロディアスではあるが、決してイージーに陥らない。
メロディアスで耽美的な「スピリチュアル・ジャズ」と形容して良いくらい、充実した、クールに「熱い」演奏。勿論、ブレイドのドラミングは個性的で素晴らしいのだが、同じくらいに印象に残る音が、カート・ローゼンウィンケル(Kurt Rosenwinkel)のギター。特にエレギが印象的。ちょっとくすんだ伸びの良い、ちょっと捻れた、ちょっと尖ったエレギ。パットのギターのフォロワー的印象。
これ見よがしに変拍子、転拍子を見せつけてるようなところは見えない、フェローシップ全員、気合いの入った自然体な演奏。結構、難しいことをやっているんだが、決して難解には聴こえない。逆に自然にシンプルに聴くこえるから面白い。1970年代、ECMレーベルに展開された「ニュー・ジャズ」。この「ニュー・ジャズ」がジャズ界でもポピュラーな存在になったきた様です。このフェローシップの音を聴くと改めてそう思います。
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