あの頃の「愛のテーマ」に再会
なかなかリイシューされない盤もまだまだ沢山ある。逆に、ネットを彷徨っていて、今までなかなかリイシューされなかった昔の好盤がいきなり、ダウンロード・サイトにアップされているのを見つけたりすると、思わず「やった〜」と思う。そして、じっくりとゆったりと聴いて、在りし日のあの頃へ短い間の「心の旅」。
Barry White & The Love Unlimited Orchestra『Rhapsody In White』(写真)。そんなアルバムに久し振りに出会った。1974年のリリース。この盤は高校時代、FMでエアチェックして、ロックの合間の耳休めのよく聴いていた。音の傾向は、電気楽器を導入してロックの音要素を取り込み、ビートを効かせたソウル・ミュージックの要素を散りばめた、クロスオーバー基調としたイージーリスニング・ジャズである。
まず一番聴いていて感じ入ってしまうのが、ラストの「愛のテーマ」(Love's Theme)。爽やかな風が立ち上って行くような、飛翔感溢れる弦のユニゾン&ハーモニーのイントロから、ホーンが鳴り響き、そして、オーケストラの旋律のバックで鳴り響く「超単音弾き」な永遠に続くエレギのリフ。このエレギの単音リフに乗ったオーケストラの流麗な展開、これがバリー・ホワイトの十八番。
「愛のテーマ」と言えば、僕が高校時代から大学時代にかけて、キャセイパシフィック航空のCMで流れていたり、FMラジオ番組「ジェットストリーム」でよく流れたりで、かなり馴染みのある曲でした。特に「ジェットストリーム」はよく聴いていたからなあ。やはり、印象に残っているのが、「超単音弾き」な永遠に続くエレギのリフ。本当にシンプルながら官能的なリフで、このエレギ、誰あろう「デビッド・T・ウォーカー」の仕業だったんですね。
このアルバムには、バリー・ホワイトの魅力的な低音ヴォイスがかなり織り込まれていて、これがまだ良い効果を生んでいるんですね。どこかスピリチュアルで、ソフト&メロウなフュージョン・ミュージックの先取りの様などこかアーバンで落ち着いた夜の雰囲気。1974年のクロスオーバー・ジャズなので、ちょっと古いかなあ、と思いながら聴き返したのですが、どうして、アレンジが良いんでしょう、あまり古さは感じない。
全8曲中、バリー・ホワイトが関わった曲ばかりで、バリー・ホワイトのソング・ライティングの才についても再認識しました。バリー・ホワイトのインスト盤として、聴き応えのある好盤です。全編、金太郎飴の様に「エレギの単音リフに乗ったオーケストラの流麗な展開」がメインなんですが、これがバリー・ホワイトの個性。一度聴いたら病みつきになります。
★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
« クールで大人のテナーが清々しい | トップページ | ジャズ喫茶で流したい・142 »
コメント