ライトポップなフュージョンです
こういうジャズもたまには良いなあ、と思う。というか、これってジャズか、とも思うんだが、フュージョン・ジャズを正と捉えて早幾年、この新盤に詰まっている音、ぎりフュージョン・ジャズと解釈して良いのかな。まあ、こういうコンテンポラリーなフュージョン・ジャズが我が国から出てきたとは、なんか嬉しくなるやら、ホッとするやら。
三角関係 feat.三浦拓也『素敵関係』(写真左)。今月のリリース。ちなみにパーソネルは、山崎 千裕 (tp, fih), 園田 涼 (p, key), 三浦 拓也 (g)。なぜ「feat.」が付いているのか判らぬが、3人トリオの「三角関係」ということ。当然、バックにサポート・メンバーが入っていて、主だったところは、紺野 光広 (el-b), 村石 雅行 (ds), 前田 仁, 山下 智 (perc)。
ポップで明るい、聴き易くて耳当たりの良いフュージョン・ジャズがメイン。それでいて、ソフト&メロウには流れず、意外とビートの効いた、爽快感溢れるところが「ニクい」。音的にも、しっかりエッジが立っていて、音像は明確で曖昧なところは無い。かなりしっかりと作り込まれたフュージョン・ジャズである、ということが良く判る。
山崎 千裕(やまざき ちひろ)は中堅トランペッター。東京芸大卒。2010年、自身のバンド山崎千裕+ROUTE14bandを立ち上げ、本格デビュー。女性トランペッターではあるが、音はしっかりしている。音の大きさについては割り引いても、無理をしない演奏テクニックとふらつきの無いブロウは聴き易く、好感が持てる。この盤では、ブリリアントさが加わって、シンプルに「良い音している」。
園田 涼のピアノは堅実でキラキラしている。純ジャズなピアノとしては、ちょっと深みに欠けるか、と思うが、フュージョン・ジャズとしては、切れ味も良く、タッチもキビキビしていて及第点。三浦 拓也のギターも良い感じ。フュージョン・ギターって音で爽快感抜群。弾きっぷりも意外と骨太で、ソロにリズムに大活躍です。
ジャケットがキャピキャピしていて、ちょっと気恥ずかしいのですが、アルバムの中に詰まっている「インストポップなフュージョン・ジャズ」な音世界とイメージが合致していて、まあここは「我慢」(笑)。演奏もレベルが高くて、聴き心地も良い。ながら聴きに最適なライト・ポップなフュージョン・ジャズ盤です。次作では本格的な「コンテンポラリーな純ジャズ」に挑戦して欲しいですね。期待してます。
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