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2019年2月12日 (火曜日)

音楽喫茶『松和』の昼下がり・67

先週の週末、Buddy De Franco(バディ・デ・フランコ)のリーダー作をご紹介した。クラリネットはジャズの世界では少数派で、かなり数が少ないと書いた。確かに、ジャズ・クラリネット、と言われて真っ先に浮かぶ名前が、ベニー・グッドマンとバディ・デ・フランコの二人。しかし、この人を忘れていた。Jimmy Giuffre(ジミー・ジュフリー)である。

ジミー・ジュフリーは、1921年テキサス州生まれ。2008年に鬼籍に入っている。基本的にはマルチ・リード奏者なんだが、クラリネット奏者という印象が強い。恐らく、1958年のニューポート・ジャズ・フェスティバルで撮影された映画『真夏の夜のジャズ(Jazz on a Summer's Day)』での印象的な演奏の映像の影響だろう。あれは格好良かった。

さて、今日の盤は『The Jimmy Giuffre Quartet in Person』(写真左)。1960年7月19日、NYの    Five Spot Caféでのライブ録音。ちなみにパーソネルは、Jimmy Giuffre (cl, ts), Jim Hall (g), Buell Neidlinger (b), Billy Osborne (ds)。リーダーのジミー・ジュフリーはクラリネットがメインだが、テナー・サックスも担当する。
 

In_person  

 
フロントは、ジェフリーのクラリネット&テナーとジム・ホールのギターが担当する。この1管1弦のフロント楽器のユニゾン&ハーモニーが実に心地良い響き。十分に練られたアレンジが素晴らしい。演奏者同士の自由なインタープレイを取り入れた展開が、ハードバップには無い「新しい響き」を獲得している。とにかく、アドリブ部のインタープレイが見事。

クラリネットとギターの演奏の温度感は「クール」。決して熱くならないが、その節回しが「ホット」なインタープレイが印象的。ジェフリーの標榜した「ブルースを基調とした大衆的ジャズ」が、このライブ盤では判り易く提示されている。音は決して多く無い。少ない厳選された音数でブルージーな雰囲気を最大限に引き出している。素晴らしいテクニック。

ジェフリーのクラリネットはクールで理知的だが、ホールのギターも負けずにクールで理知的。それでいて、仄かにファンクネスとジャジーな雰囲気が漂い、絡みつくような自由度の高いインタープレイが爽やかに響く。ジャズ喫茶の昼下がり、じっくりとスピーカーの前に陣取って耳を傾けたい、そんなクールで理知的なジャズである。

 
 
東日本大震災から7年10ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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