音楽喫茶『松和』の昼下がり・66
ああ、このアルバムはええなあ、このエレギはええなあ。1973年、時代はクロスオーバー・ジャズの流行期。この盤の基本は「ソウル+エレジャズ」のクロスオーバー。しかし、この盤の音世界はその先を行っている。ファンキーでメロウなエレクトリック・ジャズ。1970年代後半からの「フュージョン・ジャズ」の先駆けである。
David T. Walker『Press On』(写真左)。1973年のリリース。ちなみにパーソネルは目立ったところで、David T. Walker (G), Harvey Mason (Dr), Charles Larkey (B), Joe Sample (Key), Bobbye Hall (Congas etc) 等々。キャロル・キングの『Fantasy』録音というきっかけで集まったメンバーが、その手応えを携えて録音されたアルバム。
ソウルの名曲の数々をメロウなエレギでカヴァー、ニュー・ソウル的なクロスオーバー・ジャズである。エレギのフレーズはファンクネス濃厚、優しく美しいメロウな音色。ミドルな速さで弾き進める、歌心溢れるアドリブ・フレーズはまさに「ソウルフル」。も〜たまらん、である(笑)。今から40年ほど前、ジャズを聴き始めた頃にこの盤に巡り会って以来、ずっと大好きなクロスオーバー・ジャズ盤の一枚。
David T. Walker(デヴィッド・T.ウォーカー)は、米国オクラホマ州出身のクロスオーバーなギタリスト。1941年生まれなので、今年で78歳。バリバリ現役、伝説のソウル・ギタリスト。モータウンでの活躍はつとに有名。デヴィッド・T.ウォーカーのギターは決してジャズに縛られない。ジャズをメインにソウル、R&B、ロックなどを融合したファンキー&メロウなギターで、この音は唯一無二。
硬軟自在でニュアンスが豊富なエレギの音は、Isley Brothersの「I Got Work To Do」、Stevie Wonderの「Superstition」、Carol King「Brother Brother」、The Beatlesの「With a Little Help From My Friend」など、1960〜70年代ソウル好きには堪らないカヴァー曲で絶好調。自身の手になるジャズファンク曲「Press On」でも切れ味良く格好良い。
デヴィッド・T.ウォーカーのエレギが思いっきり格好良い。ソウルでファンキーでメロウなエレギ。ニュアンス豊かで、こだわりなく自然にシンプルに弾き進めていくデヴィッド・T.ウォーカーのエレギは絶品。こういうギターは何時までも聴き続けることが出来ますね。思えばもう40年、聴き続けています。
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