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2019年1月20日 (日曜日)

ドイツ・ジャズの歴史的な好盤

欧州ジャズは奥が深い。欧州ではジャズが意外と盛んである。それぞれの国毎に、それぞれ個性を持ったジャズが存在するので、欧州ジャズはバリエーションが豊か。しかし、そんなバリエーション豊かな欧州ジャズについては、その情報はなかなか我が国には届かなかった。欧州ジャズの情報が何とか我が国に届くようになったのは、ネットの普及の影響が大きくて、21世紀になってからでは無いか。

CDレーベルとしては「澤野工房」の存在が挙げられる。「澤野工房」とは、通天閣のお膝元の大阪、新世界から、数多くのジャズ作品を世に送り出している小さなジャズ・レーベル。ヨーロピアンジャズの名盤復刻にも力を注いでいて、内容の優れた隠れ好盤を多数発掘〜リイシューしている。この盤も「澤野工房」のカタログを眺めていて、ピックアップした。

Michael Naura Quintet『European Jazz Sounds』(写真)。Michael Naura=カタカナ表記で「ミハエル・ナウラ」ミハエルのファースト・アルバム。ちなみにパーソネルは、Michael Naura (p), Peter Reinke (as), Wolfgang Schluter (vib), Wolfgang Luschert (b), Joe Nay (ds)。ドイツのジャズ・シーンの革新の先駆けとして、歴史的にも重要な作品。
 

European_jazz_sounds  

 
ミハエル・ナウラはロシア生まれのベルリン育ち。ベルリン大学では政治ジャーナリズム,哲学を学ぶ傍ら,ジャズのクラブなどで活躍、60年代に入り、1963年に本作をリリースしています。本作以外には70年代にはECMから数枚アルバムを出しています。ドイツのジャズの牽引者の一人として活躍したピアニストです。

メタリックで疾走感の豊かなアルト・サックスに、硬質で瑞々しい響きのビブラフォンの音色が絶妙に絡む熱いハード・バップ演奏が魅力。欧州ジャズならではの、非常に繊細でクールな響きを湛えた「熱い」演奏。ファンクネスは皆無、切れ味良い硬質なリズム&ビートが印象的な、典型的な欧州のハードバップ。

とても良い、先進的な内容のハードバップ。録音も良く、切れ味良く、緩急自在、変幻自在なモーダルな演奏は、現代の「ネオ・ハードバップ」にも通じる内容で、現代のジャズ者の耳にも古く響くことはないでしょう。 当時の欧州ジャズのレベルの高さを感じさせてくれる佳作。ジャズ者万民に向けて、一度は聴いていただきたい好盤です。
 
 
 
東日本大震災から7年10ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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