硬派で軽妙なファンキー・ジャズ
ウラ名盤とか、新スタンダード盤とか、そういう珍しい好盤の紹介本を読んでいて、これは知らんなあ、と思う盤が結構あることに気がつく。ジャズを聴き始めて40年以上。何千枚とジャズのアルバムを聴いてきた訳だが、まだまだ知らない好盤が沢山ある。ジャズの裾野のなんと広いことか。
この盤を初めて聴いた時は、どっかで聴いた音やなあ、と思った。どこでかいな、と思いながら聴き続ける。ファンキー・ジャズである。音がまだまだ硬いので、ファンキー・ジャズの初期の頃の盤か、と当たりを付ける。トランペットが入ってくる。あれ〜これって、ブルー・ミッチェルみたいやけど。でも、ピアノはホレス・シルバーとちゃうしなあ。
演奏の雰囲気は、ホレス・シルバー抜きのホレス・シルバー・クインテットの様な、硬派なファンキー・ジャズである。テナーが入ってくる。このちょっとヘタウマなテナーって、ジュニア・クックに似てるなあ、と思う。ドラムは明らかにファンキー・ジャズなドラミング。どっかで聴いたよなあ、このドラム。
この「なぞなぞ」の様なアルバムは、Roy Brooks『Beat』(写真)。1963年10月1日の録音。ちなみにパーソネルは、 Roy Brooks (ds), Eugene Taylor (b), Hugh Lawson (p), Junior Cook (ts), George Bohanon (tb), Blue Mitchell (tp)。おお、確かに、ホレス・シルバー抜きのホレス・シルバー・クインテットにトロンボーンが加わるセクステット構成。
ということはドラムは、ロイ・ブルックスですね。ファンキーでダイナミックでメリハリの効いたドラミング。バッシバッシとオフビートを刻みます。ファンキー・ジャズ御用達のドラミングですね。シルバーに代わって入っている、ヒュー・ロウソンのピアノがシンプルでフレッシュ、粘りの少ない爽やかなファンキー・ピアノを聴かせてくれます。
フロントではミッチェル&クックの名コンビが大活躍。トロンボーンが良いアクセント。バックではブルックスのドラムが大活躍。テイラーのベースががっちりと演奏の底を支えます。あまり粘らない、あっさりとした切れ味の良いファンキー・ジャズの響き。疾走感と「キメ」の格好良さ。切れ味と歌心。硬派で軽妙なファンキー・ジャズがぎっしり詰まった好盤です。
東日本大震災から7年10ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
« キャノンボールの初リーダー作 | トップページ | 日本人ドラマーの2018年の新盤 »
コメント