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2018年11月17日 (土曜日)

これが日本人女子の音とはなあ

日本のジャズについては、若手有望株というと「女子」がメイン。女子の若手有望株ばかりが目立って、男子の若手有望株は片手に余る印象である。もうこの「印象」が長く続いて久しい。21世紀のなった頃からずっと、女性上位の傾向が続いている。まあ、自分については「男尊女卑」の傾向は全く無いので、女子だろうが男子だろうが、内容のある「若手有望株」が多数出てきた、ということは実に喜ばしいことである。

この人のキーボードについては初めて聴いた時、思わず仰け反った。これってプログレやん。オルガンの響き、シンセの響き、どこを聴いても「キース・エマーソン」。伝説のプログレ・バンド「Emerson, Lake & Parlmar(EL&P)。」のキーボード奏者がキース・エマーソン。この人のキーボードの音が思いっきり「キース・エマーソン」しているのだ。これは僕の大好物。コレって誰だ、と焦って調べ始めた。

大高清美。このキーボード奏者の名前である。名前を初めて見た時はまだ男子だと思っていた。しかも、僕と同じ世代やな、と踏んでいた。しかし、ネットでバイオグラフィーと写真を見た時、ビックリした。女子である。1966年10月生まれなので、今年で52歳。僕とは8歳違いなので、EL&Pをリアルタイムで体験している世代では無い。そして、この大高清美、現在はあの「CASIOPEA 3rd」のキーボード担当でもあるのだ。
 

Trick_or_treat_1  

 
KIYO*SEN『Trick or Treat』(写真左)。昨年のリリース。「KIYO*SEN(キヨセン)」とは、キーボードの大高清美の「KIYO」に、ドラムの川口千里の「SEN」を合わせたユニット名。このユニットがとんでも無い実力の持ち主で、とんでも無い演奏をするのだ。聴けば判るのだが、基本は「プログレ」。演奏の展開が「即興演奏」をメインにしているので、コンテンポラリーなジャズ演奏だが、キーボードの音は明らかに「プログレ」している。

大高のキーボードはテクニック豊かで、展開にメリハリがあって大仕掛け。これはもう「プログレッシブ・ロック」のキーボードの代表的傾向なのだが、大高のキーボードはこれを踏襲している。これが痛快。逆に、川口千里のドラムは明らかに「フュージョン・ジャズ」。切れ味良く、ファンクネス皆無な爽快感溢れるドラミングは「フュージョン」。この川口のドラムが、この盤の全体雰囲気を決定付けている。そうそう、川口千里は1997年1月生まれの今年21歳のバリバリ若手のドラマーです。

とにかく聴いていて楽しい。1970年代が全盛の「プログレ者」の我々からすると、キーボードがフロントのフュージョン・ジャズとして楽しめ、音の響きとしては、テクニックがずば抜けて素晴らしい「プログレッシブ・ロック」としても楽しめる、1枚で2度美味しい盤である。しかし、これが日本人女子の音とはなあ。脱帽である。

 
 

東日本大震災から7年8ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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