ジャズ喫茶で流したい・132
最近よく聴くお気に入りのギタリスト、カート・ローゼンウィンケルはサイドマンでのプレイにも光るものがある。基本的に彼のギターは純ジャズ志向なので、結構、他の純ジャズ・セッションに呼ばれることがあるようなのだ。ネットで調べてみたら出てくる出てくる。かなりの数、他流試合に出ているのだ。
Mark Turner『Yam Yam』(写真左)。1994年12月の録音。ちなみにパーソネルは、Mark Turner (ts), Kurt Rosenwinkel (g), Brad Mehldau (p), Larry Grenadier (b), Jorge Rossy (ds)。7曲目の「Zurich」のみ、Seamus Blake, Terence Dean (ts) が加わる。マーク・ターナーの記念すべき初リーダー作。パーソネルを見渡すと、いや〜錚々たるメンバーではないか。現代のネオ・ハードバップの中心ジャズ面がズラリと並んでいる。
このパーソネルを見れば、ジャズ盤のコレクターであれば、思わず触手が伸びる。まず、ギターにカート・ローゼンウィンケル、ピアノにブラッド・メルドー、ベースにラリー・グレナディア、ドラムにホルヘ・ロッシ。メルドーのトリオにローゼンウィンケルがギターで加わる。むっちゃ豪華なバック・メンバーですね。テナーのマーク・ターナーのプレイに期待が集まります。
マーク・ターナーのテナーは「クール・テナー」。芯のある浮遊感と繊細で知的なニュアンス。ブラッド・メルドーの弁を借りると「マーク・ターナーのホーンのサウンドは見紛いようがない。暖かく、深い優しさをたたえ、甘たるくなく、まさにこれぞ誘惑の味がする」。それまでのジャズ・テナーの印象である「たくましい、豪快といった男性的なイメージ」を覆す、クール・スタイルのテナーが清々しい。
当アルバム中、唯一のスタンダード曲、コルトレーンの「Moment's Notice」を聴けば、マーク・ターナーのクール・スタイルのテナーとこの途方も無いバック・バンドの新鮮な音世界が体感出来る。コルトレーンのオリジナルとは全く異なったアレンジとアドリブ・アプローチが斬新。確かにコルトレーンの「Moment's Notice」なんだが、音の響きと展開は明らかに「21世紀のネオ・ハードバップ」。
今までに無いハードバップな音と響きが素晴らしい。こういう音を聴くと「やっぱりジャズは深化しているなあ」と心から感じるのだ。今から24年も前の音とは思えない。今の音と言っても十分に通用するほど、新しい響きに満ちたネオ・ハードバップ。聴きどころ満載である。
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