酷暑の夏に「クール・ジャズ」
日頃、ジャズ盤の鑑賞に活用しているiTunesのデータベースが壊れて、ジャズ・レーベルのインデックスが半分以上、使いものにならなくなった。かれこれ約1年になるが、やっと「プレスティッジ・レーベル」のデータベースが復活した。やっとこさ、プレスティッジ・レーベルのアルバムについての聴き直しを再開である。
この1週間ほど、かなりの暑さの千葉県北西部地方。特に今日は超弩級の暑さである。もうぬるま湯の中を歩いているような状況。3分も歩けば、汗がドッと噴き出てくる。この今年の暑さは「半端無い」。これだけ暑いと、熱気溢れる、激しいブロウがメインのジャズは絶対駄目だ。熱中症になる。といって、ハードなフュージョン・ジャズも以ての外。
暑さ対策としてのジャズ。意外とオーソドックスな純ジャズで、適度にアレンジされ、演奏自体はシンプルなものが良い。そもそも「涼を感じるジャズ」なんて有る訳が無い。もともとジャズは熱い音楽だ。ダイナミックなアドリブ展開、躍動感溢れるビート。どうしても「熱くなる」。どうしても「熱くなる」なら、スッキリとシンプルで音が爽やかに聴こえるジャズが良い。
Gerry Mulligan『Mulligan Plays Mulligan』(写真左)。1951年8月27日、NYでの録音。PRLP7006番。米国西海岸ジャズのリーダー格として、バリトン・サックス奏者としてジャズ史に名を刻んだ「ジェリー・マリガン」の、10人編成小型オーケストラによるオリジナル作品集。米国西海岸ジャズらしい、お洒落にアレンジされた、クールでアーバンな純ジャズが展開されている。
ちなみにパーソネルは、Jerry Lloyd, Nick Travis (tp), Ollie Wilson (tb), Allen Eager (ts), Gerry Mulligan, Max McElroy (bs), George Wallington (p), Phil Leshin (b), Walter Bolden (ds), Gail Madden (maracas)。2曲にマラカスが入っているのが面白い。アレンジが得意とされるが、この盤では、マリガン自身、バリサクを豪快に吹きまくっている。
バリサク好きには堪らない、クールでアーバンな、抑制されたバリサクの響き。時には雄々しく時には優しく、変幻自在のバリサクがとても魅力的である。吹き過ぎない、ほどよく抑制されたホーン・アンサンブルも見事。よくまあ、こんなに上質な米国西海岸ジャズの音が、東海岸の「やっつけレーベル」プレスティッジに残されたもんだと感心することしきり。酷暑の夏に最適な「クール・ジャズ」である。
東日本大震災から7年4ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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