« ドラマーのリーダー盤の好内容 | トップページ | 教科書の様なオルガン・ジャズ »

2018年7月13日 (金曜日)

ローチのリーダー作も良いなあ

ドラマーがリーダーのアルバムって、内容の優れたものが多い。まとめ役が合っているのか、ドラムのリズム&ビートで演奏全体をコントロールしたり鼓舞したり出来るからなのか、不思議とカッチリと内容が整った内容のものが多い。として、昨日より、ドラマーがリーダーのジャズ盤を物色している。

このドラマーがリーダーのアルバムにも駄盤が無い。ビ・バップな伝説のドラマー、マックス・ローチである。ローチは人種差別反対の運動家でもあるわけで、「闘士」というのががローチの本性。ローチは、ジャズで人種差別反対の思想的な演奏をガンガンやっていた。いわゆる、メッセージ性のあるスピリチュアルなジャズである。

ローチのリーダー作はそういう意味で「尖っている」ものがほとんど。演奏も激情的なものが多い。しかし、1960年代に入って、インパルス・レーベルでのリーダー作辺りから、整った、安定感のあるアルバムをリリースする様になった。合わせて、演奏を通じてのメッセージが判り易く、伝わり易くなっている。
 

Percussion_bitter_sweet_1

 
Max Roach『Percussion Bitter Sweet』(写真左)。1961年8月の録音。ちなみにパーソネルは、    Booker Little (tp), Julian Priester (tb), Eric Dolphy (as, fl, b-cl), Clifford Jordan (ts), Mal Waldron (p), Art Davis (b), Max Roach (ds, perc), Carlos "Patato" Valdés (congas), Eugenio "Totico" Arango (cowbell), Abbey Lincoln (vo)。

このアルバムは、インパルス・レーベルからのリリース。ローチは目立ちたがり屋で主張する性格。ドラムも結構、フロントの演奏を凌駕するというか、邪魔をするドラミングもあったが、この盤辺りから、しっかりとバックに座って、バンド全体の演奏をコントロールするドラミングに変わってきている。それでも、ドラム・ソロは長い。でも、テクニックがとびきり優秀なので、聴き飽きることは全く無い。

サイドメンの演奏もそれぞれ秀逸で、アビー・リンカーンのボーカルも申し分無い。ジャズ盤紹介本にはまず挙がることの無いアルバムではあるが、聴いてみると、意外と優れた内容の平易なスピリチュアル・ジャズであることにちょっとビックリする。アフロ・キューバンな冒頭の「Garvey's Ghost」から、全体的にアフロ色が濃い。アフロ・アメリカンな演奏内容はとても魅力的である。

 
 

東日本大震災から7年4ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

« ドラマーのリーダー盤の好内容 | トップページ | 教科書の様なオルガン・ジャズ »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ローチのリーダー作も良いなあ:

« ドラマーのリーダー盤の好内容 | トップページ | 教科書の様なオルガン・ジャズ »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  

カテゴリー