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2018年6月 3日 (日曜日)

正統ブルース・ロックがてんこ盛り

ジャズの合間の耳休めのアルバムには色々あるが、やはり、ジャズに近い「米国ルーツ・ミュージック」を踏襲したものが一番フィットする。ロックであれば、米国ルーツ・ロック。ブルースやゴスペル、カントリー、ソウル・ミュージックをベースにしたロックが、ジャズの合間の耳休め盤に一番適している。

ロックであれば、ブルースを基調としたものが良い。ブルースを基調としたロックといえば、1960年代後半、英国で流行始めてから、現在に至るまで、綿々とコンスタントに好盤をリリースしている。レジェンドの域に達した大ベテランについては、エレック・クラプトンの名が「いの一番」に挙げられる。

それでも、1980年代のクラプトンについては、まずは売れることが求められ、それに応えようとした時代の流行の音に迎合したアルバムが多く、あまり触手の伸びるアルバムをリリースすることは無かった。しかし、1992年にリリースされたライブ盤『Unplugged』により、渋いブルースを歌うクラプトンが評価され、人気の裾野が広がり、セールスが伸びた。渋いブルースをクールにロックして歌うスタイルが受ける。クラプトンは確信した。
 

From_the_cradle_1  

 
その確信をもとにレコーディングされたアルバムが、Eric Clapton『From the Cradle』(写真左)である。1994年のリリース。コッテコテのブルース集である。オリジナルを忠実に再現しながら、あくまでもコピーではない個性と拘りで、クラプトン・オリジナルなブルース・ロックがてんこ盛り。クラプトン流の「ホワイト・ブルース」を堪能出来る。

加えて、この盤、録音が良い。ブルース演奏らしく、シンプルで躍動感のあるもの。それもそのはず。ほぼ全曲とも一発録り。何らかのオーバーダブがなされているのは「ハウ・ロング・ブルース」と「マザーレス・チャイルド」の2曲のみらしい。躍動感溢れる、程良い緊張感を伴ったブルース・ロックは聴き応え十分。クラプトンの「原点回帰」というか、ロックに求められる「革新性」に別れを告げた「潔さ」が感じられる秀作である。

専門家からの評価も高く、グラミー賞のベスト・トラディショナル・ブルース・アルバム部門を受賞している。音の太さ、迫力と共に、ブルース・ロックの最高峰の演奏がこの盤に詰まっている。コマーシャルに流されない、純粋な音楽家としてのクラプトンが実に潔い。ちなみに、この盤、我がバーチャル音楽喫茶『松和』では、ジャズの合間の耳休め盤に良く選盤されています。

 
 

東日本大震災から7年2ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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