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2018年6月 1日 (金曜日)

こんなアルバムあったんや・98

最近、ネットの音楽ダウンロード・サイトを徘徊していて、今まで気がつかなかった、ハードバップの好盤に出くわすことがある。最初、ジャケットを見て「見たこと無いなあ」と思うんだが、なんだか良さげなジャケットの面構えに、ちょっと聴いてみるか、となる。そして、聴いてみると「あらビックリ」。なんやこれ、となって、思わず、パーソネルを確かめて叫ぶ。「こんなアルバムあったんや」。

Timeless All Stars『Timeless Heart』(写真左)。1983年4月8日の録音。ちなみにパーソネルは、Cedar Walton (p), Buster Williams (b), Billy Higgins (ds), Harold Land (ts), Curtis Fuller (tb), Bobby Hutcherson (vib)。僕は最近まで、この盤の存在を知らなかった。「All Stars」の看板に偽り無し。パーソネルを見渡せば、なんと錚々たるメンバーでは無いか。

パーソネルを見ずに、いきなり聴き始めると直ぐに思う。なんとお洒落な、なんと粋なリズム・セクションなのであろう。洒脱なピアノ、堅牢なベース、端正なドラム。うむむ、この盤、只者では無い、と思い始める。そして、滑り込む様にヴァイブの音が入ってくる。おお、これは端正な流麗なヴァイブの音。誰だろう、と思う。そして、小粋なテナーが響き渡り、そして、バリバリとトロンボーンの魅惑的な音。これまた、誰だろう、と思う。
 

Timeless_heart  

 
パーソネルを確かめて、なるほどうむむ、となる。ピアノにウォルトン、ベースにウィリアムス、ドラムにヒギンス。ハードバップ後期の名うての名手達。このリズム・セクション、お洒落で粋な筈である。そして、テナーにはランド、トロンボーンにはフラー。西海岸のテナーの名手に、ハードバップ・トロンボーンの代表格。良い音する筈だ。

そして、一番感心したのが、ヴァイブの音なんだが、これはボビー・ハッチャーソンであった。そりゃ〜上手い筈だ。ハードバップなヴァイブであるが、時々、モーダルな展開もあるし、ちょっとアブストラクトな自由度の高さを追求したブレイクな展開もある。聴いていて只者では無い、とは思ったが、ハッチャーソンのヴァイブであったか。

録音時期は1983年。フュージョン・ブーム後期でありながら、こんなに素敵なネオ・ハードバップの走りの魅力的な演奏が残されていたなんて、ちょっとビックリであった。上質のハードバップな演奏がこの盤に詰まっている。しかしながら、我が国ではあまり知られていないみたい。勿体ないなあ、と思う。
 
 
 
東日本大震災から7年2ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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