名付けて「ネイチャー・ジャズ」
お久しぶりです。昨日、松和のマスター、南半球はオセアニア、ニュージーランドから帰還しました。17年振りのオセアニア訪問。北島、南島共に豊かな自然の風景が見事。特に南島。氷河が創り出した圏谷、峡湾。このカール、フィヨルドについては日本ではほとんど見られない景観。あってもスケールが桁違い。圧倒的な自然の景観に心の底から癒されました。
さて、ジャズの話。「自然」つながり。1970年代に発生した「ニュー・ジャズ」の範疇の中で、スイング感や4ビート感を強調しない、印象的なフレーズやリズムをメインに、自然の景観や雰囲気を想起させるパフォーマンスが存在します。僕はこういうジャズを勝手に「ネイチャー・ジャズ」と呼んで、ジャズを聴き初めて40年。意外と好んで聴いています。
癒されるんですよね〜。例えば、1970年代〜80年代のパット・メセニー・グループ(PMG)、オレゴンなどが代表的な存在としてあげられます。ニュージーランドで圧倒的な自然の景観に心の底から癒されたこともあり、ちょっとばかし、この「ネイチャー・ジャズ」の好盤を挙げてみたいと思います。
まずは、我が国のジャズから。我が国のジャズが誇る精鋭ジャズマンが一堂に会して創作した「ネイチャー・ジャズ」の好盤がこれ。富樫雅彦『Spiritual Nature』(写真左)。1975年4月の録音。ちなみにパーソネルは、富樫雅彦 (per,celesta), 渡辺貞夫 (fl,ss,as), 鈴木重雄 (fl,ss), 中川昌三 (fl,bfl), 佐藤允彦 (p,marimba,Glockenspiel), 翠川敬基 (b, cello), 池田芳夫 (b), 中山正治 (per), 豊住芳三郎 (per), 田中昇 (per)。
日本の前衛ジャズ界の先駆者的存在であるジャズ・パーカッション奏者、富樫雅彦のスピリチュアル・ジャズの好盤。アルバム・ジャケットのイメージがそのままの自由度の高い、限りなくフリーなジャズ。当時の日本ジャズの精鋭、現在でのレジェンドの面々が、それぞれの力量を遺憾なく発揮したスピリチュアル・ジャズ。耳に馴染まない、楽器の嘶きやエモーショナルな表現とは全く無縁な「ネイチャー・ジャズ」の世界。
ジャズ評論的には「日本のフリージャズとしては歴史に残るアルバム」だが、音の雰囲気は、オレゴンの音世界に比肩する「ネイチャー・ジャズ」。特にリーダーの富樫雅彦のパーカッションの表現の豊かさは特筆に値する。全体を覆うサウンドの「湿潤」な印象、森林から発生する朝霧のような肌触りの音。日常の音や自然の音を散りばめた様な演奏で日本の風景を見せてくれる様な、侘び寂びのあるパフォーマンスに心から癒される。
東日本大震災から7年1ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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