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2018年5月24日 (木曜日)

ドラムの音がとても素敵に響く

ドラマーがリーダーのアルバムはとても興味深い。ドラムはフロントを張る楽器では無い。メロディアスな旋律を表現できる楽器では無い。リズム&ビートだけで表現する楽器。この楽器を担当するドラマーがリーダーを張る。どういうアルバムに仕上がっていくのか。ドラマーがリーダーのアルバムを聴くことは、いつも楽しみなのである。

Terri Lyne Carrington『Structure』(写真左)。2003年11月の録音。ちなみにパーソネルは、Terri Lyne Carrington (ds, perc, vo), Greg Osby (as), Jimmy Haslip (b), Adam Rogers (g)。テリ・リン・キャリントンは女性ドラマー。1965年の生まれ。ジェームズ・ムーディーやクラーク・テリー、ショーター、サンボーンら、名だたるジャズメンと共演。力量確かなドラマーである。21世紀に入ってから、2〜3年に1枚の頻度でリーダー作をリリースしている。

実は僕はそのリーダー作の中で、初めて聴いた番が、この『Structure』である。で、聴いて最初に感心したのが、多彩なワザを織りまぜた、センシティブな、ダイナミズム溢れるドラミング。手数も多いのだが、決してうるさくない、硬軟自在、変幻自在なドラミングで、フロント楽器を鼓舞し、グループ・サウンド全体をコントロールする。リーダーのドラミングである。
 

Structure_2

 
ここまで多彩で柔軟なドラミングである。打楽器としての役割も担えるピアノは必要無い。よって、このアルバムはピアノレスである。確かに。テリ・リン・キャリントンのドラミングがあれば、ピアノは敢えて必要無いなあと納得する。それほど、素晴らしいドラミングである。いいもの聴かせて貰ったなあ、と僕は正直、感心した。

こんなに素晴らしいドラミングがバックに控えているのである。フロントのオズビーのアルトが適度な緊張感を保ちつつ、唄う様に、軽く気持ち良く雄叫ぶ様にアルトを吹き上げていく。本当に気持ちよさそうに吹いている。ロジャースのギターも同様。爽快に気持ち良さげにギターを弾き進めていく。

スッキリ爽快なメインストリーム・ジャズ。耳に心地良いドラムの響き、スネアの響き、ハイハットの響き。さすがリーダーはドラマー。ドラムの音がとても素敵に響き渡っている。実は、この盤で、テリ・リン・キャリントンは素敵なボーカルも披露しているが、それはサラッと流して、メインはドラミングですよ、と素敵なパフォーマンスを聴かせてくれる。筋金入りの職人堅気なベテラン・ドラマーである。

 
 

東日本大震災から7年2ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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