こんなアルバムあったんや・97
ニュージーランドを旅していて、時折、店の中でジャズが流れていた。ニュージーランドでも店のBGMはジャズなんや、と感心した。そして、思う。あれ、ニュージーランド出身のジャズ・ピアニストがいたなあ、誰だっけ。最近は、ある程度のグレードのホテルだと無料のWIFIが使える。ということで、ネットで調べる。で、この名前に突き当たる。Stephen Small(スティーヴン・スモール)。
そうそう、この人この人。以前、喜多郎の「シルクロードのテーマ」が聴きたくなって、喜多郎をググっていたら、この名前に突き当たった。2013年に喜多郎の楽曲をオーケストラ用にアレンジ、2014年2月からスタートした喜多郎のワールドツアーに参加し、喜多郎と共に公演を続けている。そして、このピアニストのプロフィールを見て、へぇ〜ニュージーランド出身のジャズ・ピアニストがいるんや、とビックリした。
さて、改めてこの「スティーヴン・スモール」、ニュージーランド出身のピアニストであり、作曲家兼アレンジャー。ロンドンのギルドホール音楽学校でクラシックピアノを学び、音楽理論修士号、音楽芸術博士号を取得。ピアニストとして、ロンドン交響楽団やチェコ・ナショナル交響楽団のレコーディングへ参加している。当初はクラシック・ピアニストだったみたいです。
その後、米国の人気歌手ベリンダ・カーライル、英国の歌手レオ・セイヤー、ボニー・テイラーとの共演を経て、現在は、オーケストラ用に楽曲をアレンジする編曲家として、スタジオミュージシャンや音楽プロデューサーとして精力的に活動中とか。そんなスティーヴン・スモールがジャズ・ピアニストとして制作したアルバムの一枚がこれ。ピアノをメインとしたベース、ドラムのトリオ編成のジャズである。
Stephen Small『Slow Drag』(写真)。2008年の作品。ジャケットが3種類くらいあって、ジャケット・イメージだけでは特定が難しい。冒頭は欧州的な緩やかなピアノからの出だしに、この盤ってリリカルなニュー・ジャズかしら、と思いきや、途中からジャズファンクな雰囲気に早変わり。ウエザー・リポートの様でもあり、マハビシュヌ・オーケストラの様でもあり、今風のスピリチュアルなジャズファンクの様でもあり、エレ・ジャズの最先端のトレンドをごった煮にしたような音世界に驚いたり、感心したり。
内容的に充実しており、決して米国本国のエレ・ジャズにひけを取らない、上質のジャズ基調のエレ・ファンクがこの盤に詰まっています。テンションも適度で飽きることはありません。特に、リーダーのスティーヴン・スモールの奏でるキーボードのセンスが抜群の良い。ジャズファンク者のみならず、ロックのプログレ者でも楽しめる、エレ・ファンクな好盤です。
東日本大震災から7年1ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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