ビッグバンド・ジャズは楽し・45
久し振りにビッグバンド・ジャズである。この10年ほどであるが、The WDR Big Bandの躍進は目覚ましい。もともとは、1946年の結成。「WDR:西ドイツ放送(Westdeutschen Rundfunks)」の下で編成されたビッグバンドである。老舗ビッグバンドではあるが、CDなどで目立ち始めたのは、21世紀に入ってからではないか、と感じている。
ロン・カーターとの共演だった『My Personal Songbook』も良かったし、ジョー・ザヴィヌルとの『Brown Street』も良かった。ラロ・シフリンを招いた『Latin Jazz Suite』も粋だったし、『Caribbean Night』はユニークだった。そして、今回はこのライブ盤に出会った。
Vince Mendoza & The WDR Big Band Cologne『Homecoming』(写真左)。ヴィンス・メンドーザ編曲&指揮、WDRビッグ・バンド・ケルン のライブ盤である。2014年11月、ドイツのケルン、エッセンでのライブ・パフォーマンスを捉えた好盤である。もともと、WDR Big Bandの指揮者は2003年から「Michael Abene」が担当しているが、このライブでは、ヴィンス・メンドーザが指揮者として客演している。
Vince Mendoza(ヴィンス・メンドーザ)は米国の作曲家&編曲家。メンドーザの曲はバートン、メセニー、ヘイデン、ブレッカー兄弟、アースキンなど、著名なジャズメンに演奏されている。また、編曲については、グラミー賞の最優秀インストゥルメンタル・アレンジメント賞を3回受賞してる。今回のこのWDR Big Bandとの共演は、メンドーサの楽曲を取り上げ、メンドーサの指揮で演奏されているもの。
冒頭の「Keep It Up」は、エレ・ファンクな演奏で、おもわず「エレ・マイルス」を彷彿とさせる。しっかりと編曲された、スッキリ端正な「エレ・マイルス」的な雰囲気が素晴らしい。これがビッグバンドでの演奏なのだからユニークだ。2曲目の「Little Voice」は、何気なく聴いていると、これってギル・エバンスかい? と思ってしまう位、シンプルで間を活かした、独特のユニゾン&ハーモニーに思わず耳をそばだてる。
これだけ柔軟な表現力を持つビッグバンドは他にないだろう。今回、もう一人の客演、ビッグバンドを鼓舞するようなアントニオ・サンチェスのドラミングも素晴らしい。ヴィンス・メンドーザ、そして、アントニオ・サンチェス、この二人の客演を招いて、WDR Big Bandは、何時にも増して素晴らしい演奏を繰り広げる。そのパフォーマンスを捉えた、素晴らしいライブ盤である。
東日本大震災から7年2ヶ月。忘れてはならない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
« ジャズの合間にゴスペル・ロック | トップページ | ジャズ喫茶で流したい・119 »
コメント