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2018年4月14日 (土曜日)

クロスオーバー者には堪らない

クロスオーバー・ジャズの面白いところは、ジャズとロックの融合をベースとしているところ。ビートは8ビート、アドリブ展開を旨とするインプロビゼーションのテイストはジャズ志向、エレギやシンセなど、当時の最先端をゆく電気楽器の使用方法や音色はロック志向。このジャズとロックの志向を織り交ぜたところに、独特の音のニュアンスが広がる。

これが、我々「クロスオーバー者」には堪らない。この独特のニュアンスが堪らない。フュージョン・ジャズとは一線を画する「クロスオーバー・ジャズ」独特の響き。この独特の響きのクロスオーバー・ジャズは、1960年代の終わりから、1970年代中盤の間に集中している。我々「クロスオーバー者」は、これらを聴くのが至上の喜びである。

George Duke『The Aura Will Prevail』(写真左)。1975年の作品。このアルバムも聴けば明確に「クロスオーバー・ジャズ」。冒頭のシンセサイザーの音色とフレーズが、実にクロスオーバーっぽい。シンセの使い方はロックなんだけど、フレーズはジャズ。そして、出てくる演奏が8ビート。電気楽器中心。うほ〜、コッテコテのクロスオーバー・テイスト。
 

The_aura_will_prevail

 
そう、この盤の1曲目は「Dawn」。懐かしい響き、音が太くてウネウネしたアナログ・シンセの音。この神秘的なアナログ・シンセの響きとうねりまくるエレベの音、スペイシーな雰囲気が心地良い。演奏のメインでは、エレピ、シンセ、エレベの絡みが絶妙で官能的。これぞクロスオーバー・ジャズ、って感じの演奏にご満悦。

思いっきりテンポを落として、タメの聴いたビートがとってもクールな、3曲目の「Foosh」も聴きもの。思いっきりテンポを落としてバラードか、と思いきや、ファンクネス溢れるR&Bな演奏に思わずハッとする。それでも、後のフュージョン・ジャズの様にソフト&メロウに傾かず、しっかりと「エレ・ジャズ」に軸足を残しているところが、クロスオーバー・ジャズたる所以。

そして、最後を飾るのは亜アルフォンス・ジョンソンのベースがうねりまくる、デュークお得意のブラジル・チューン「The Aura」。無茶苦茶、格好良い。ということで、この『The Aura Will Prevail』、魅力的なイラスト・ジャケットも併せて、クロスオーバー・ジャズの好盤である。

 
 

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Never_giveup_4

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