現代のジャズ・ファンク・バンド
ジャズ・オルガンと聞くと、その代表的存在、ジミー・スミスの存在とイメージが強く浮かんで、「ファンキー・ソウル・ムーディー」と音世界が頭の中をよぎる。こってこてファンキーなアドリブ・フレーズ。唸りを上げるレスリー・スピーカー。そして、ジャズ・オルガンと言えば、ハモンド・オルガン。
と、まあ、ジャズ・オルガンに対する先入観はこんな感じなのだが、1980年代以降、21世紀になる頃には、このジャズ・オルガンの先入観をガラッと変える、ソリッドでストイックでアグレッシブな、限りなく硬派でプログレッシブなジャズ・オルガンが出現している。これがまた実に良いのだ。まだまだ、ジャズ・オルガンには深化の「のりしろ」があった、ということ。
Medeski Martin & Wood『Uninvisible』(写真左)。2002年4月のリリース。ちなみにパーソネルは、John Medeski (key), Billy Martin (ds), Chris Wood (b)。オルガン・トリオ。3人の姓をとって、 「メデスキ、マーティン・アンド・ウッド」というバンド名で活躍している。
メデスキ、マーティン・アンド・ウッド(略称:MMW)は、米国のジャズ・ファンク・バンド。ジャズ・ファンクとヒップ・ホップを融合し、即興演奏の妙と前衛音楽のアブストラクトな面を織り交ぜ、先取的でコンテンポラリーなジャズがメイン。この『Uninvisible』では、ジャズ・ファンクがメインの音世界に、仄かにクロスオーバーなサウンドを織り交ぜた、ソリッドなグルーブ感が堪らない。
クールなオルガン・ファンク。そんなキャッチフレーズがピッタリ。ゴリゴリとソリッドなベースも硬派で格好良く、ポリリズミックでビシッと決まるドラミングも実に「鯔背」である。そうそう、メデスキって色々なキーボードにも手を染めていて、なんとメロトロンを弾いているんですよね。もうまるで、1970年代のプログレッシブ・ロックの雰囲気です。
現代のジャズ・ファンク。1960年代後半から1970年代にかけてのジャズ・ファンクの要素を様々なキーボードの音に置き換えて、リズム&ビートを最先端のものに置き換えて、21世紀の時代、独特のグルーヴ感が素晴らしい。そして、これだけ先進的なジャズ・ファンク・バンドは、ジャズの名門レーベル、ブルーノートからリリースされている。ブルーノート恐るべしである。
東日本大震災から6年11ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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