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2018年2月13日 (火曜日)

『Shades』と『Mysteries』

「キースのアメリカン・カルテット」は、フォーキーでゴスペルチックな「アーシーな演奏」と自由度の高い「フリーキーな演奏」との2面性が個性。その2面性を活かしながら、躍動感に満ちた「動」の演奏と、静的な美しさを追求した「静」の演奏を織り交ぜて、変化を付けている。

アメリカン・カルテットにおける、その「動」と「静」の緩急の付け方が良く判るアルバムがある。Keith Jarrett『Shades』(写真左)と、Keith Jarrett『Mysteries』(写真右)の2枚。キースのアメリカン・カルテットのアルバムとしては地味で目立たないもので、ジャズ盤紹介本やキースの代表盤の紹介には、まず挙がってこないアルバムである。

まず、Keith Jarrett『Shades』。1975年の録音。後にご紹介する『Mysteries』と同時期に録音された演奏集。こちらのアルバムは、本作はバラエティーに富んだ、躍動感にあふれるパフォーマンスが楽しめる。冒頭の「Shades Of Jazz」から、高速4ビートに乗って、モーダルな限りなく自由度の高いインプロビゼーションが展開されます。適度の熱気とテンションが耳に心地良い。
 

Shades_mysteries

 
もう一枚が、Keith Jarrett『Mysteries』。これも1975年の録音。先にご紹介した『Shades』と同時期に録音された演奏集。バラエティーに富んだ、躍動感にあふれる『Shades』に対し、本作は静的な美しさを追求したパフォーマンスが楽しめる。フリーっぽいアプローチの曲や民族音楽的アプローチの曲もあって、バラエティーに富んでいるのは『Shades』と同じ。

どちらのアルバムも聴けば、なかなかの内容やないか〜、と感心するのですが、ヘビロテすることが無いんですよね。何故かなあ、と思い返して見ると、やはり、演奏内容がちょっととっちらかっているところがあって、散漫な印象が残るからかなあ、と思っています。洗練度合いが足らないと言ったら良いのか、決め手に欠けると言ったら良いのか、キースらしいと言えばキースらしい、やりたいことがてんこ盛りな演奏内容です。

改めて「アメリカン・カルテット」。パーソネルは、Keith Jarrett (p, ss, fl, osi drums, per), Dewey Redman (ts, per), Charlie Haden (b), Paul Motian (ds, per)。キースはピアノだけでなく、ソプラノ・サックスやフルートも吹くし、ドラム&パーカッションも叩いている。メンバーの中にテナーもドラムのいるのにも関わらず、である。何がキースの狙いだったのか。僕にとっては、今でも不明である(笑)。

 
 

★東日本大震災から6年11ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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