Dr.ロニー・スミスの快ライブ盤
最近のジャズのアルバムもちょくちょく聴いている。新盤の情報収集にネットを徘徊する訳だが、時々「おおっ」と思わず「喝采」の声を上げてしまう新盤リリースの情報もある。今回、この人の新盤リリースの報には、思わず「おおっ」と声を上げた。もともと、前作『Evolution』(2017年1月28日のブログ参照)が快作だった思い出があるので、今回の新盤にも期待が高まる。
この人とは「Dr. Lonnie Smith=Dr.ロニー・スミス」。1942年生まれなので、今年で75歳になる。Hammond B-3 オルガンの使い手である。頭にターバンを巻いたその出で立ちは、どう見てもジャズメンには見えない(笑)。そんな出で立ちで、白熱の指捌きを披露しつつ、エモーショナルで流麗かつファンキーなフレーズを叩き出す。思わず仰け反ってしまいます。
Dr. Lonnie Smith『All in My Mind』(写真左)。昨年12月のリリース。ちなみにパーソネルは、Dr. Ronnie Smith (hammond B-3), Jonathan Kreisberg (g), Johnathan Blake (ds)。そんな「Dr.ロニー・スミス」のバリバリのオルガン・トリオである。2017年夏、NYのJazz Standardで行われた生誕75周年記念ライブの音源である。
正統派ジャズ・オルガンの好盤である。ジャズ・オルガンの個性、特徴、利点がこの盤に溢れている。Dr.ロニー・スミスのオルガンは実にオーソドックス。攻撃的なところも無く、甘くムードに流れることも無い。こってこてのファンクネスを湛えつつ、75歳とは思えないほど端正で正確な指捌きから弾き出される、ソウルフルなフレーズ。そして、何より「音」に芯があって柔らかい。
共演のジョナサン・クライスバーグのギターがこれまた「良い」。もともとロック畑のギタリストである。アドリブ・フレーズの中に、おやっと思うくらいに明確なロックなフレーズがとっても素敵。ジョンナサン・ブレイクのドラミングも味があって秀逸。特にロニー御大のオルガンのリズム&ビートの先導役&扇動役を堅実に決めているところが好印象。
最後にこのライブ盤、選曲も良い。ウェイン・ショーターの1965年ブルーノート盤『Juju』のタイトル曲からスタートするところなど、思わず「渋い」と唸ってしまう。さらにポール・サイモンのヒット曲 「50 Ways to Leave Your Lover」 がオルガン・ジャズ化されているが、これがまた良い内容。他の曲も「捨て曲無し」。オルガン・ジャズの好盤である。
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