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2018年2月 9日 (金曜日)

ピアノ・トリオの代表的名盤・68

1970年代のマッコイ・タイナーは絶好調。次々と壮大な大作をリリースしていった訳だが、僕がジャズを本格的に聴き始めたのが、1978年。マッコイ・タイナーの人気がほぼ一段落し、ジャズの世界はフュージョン・ジャズの大ブーム。当時は、リアルタイムではなかなかマッコイ・タイナーのアルバムを聴き込むことは無かった思い出がある。

僕は21世紀になって、この盤を聴いた。McCoy Tyner『Trident』(写真左)。1975年2月、カルフォルニアのバークレーのファンタジースタジオでの録音。ちなみにパーソネルは、McCoy Tyner (p, harpsichord, celeste), Ron Carter (b), Elvin Jones (ds)。待望のトリオ編成。しかも、コルトレーンの「黄金のカルテット」で共にしたエルヴィン・ジョーンズがドラムに据わる。そして、ベースにはロン・カーター。珍しい。

このアルバムでのハープシコードやセレステの使用にはビックリするが、目先を変える意味では、なかなかの工夫。「タイナーのガーン・ゴーンのハンマー奏法はワンパターン」という揶揄を笑い飛ばすには、ちょっとジョークが過ぎるかな(笑)。耳新しさにはちょっとだけ効果はあるかもしれないが、ハープシコードやセレステの使用が、演奏全体に大きな影響を与えているかといえば、そうではない。
 

Trident

 
しかし、このアルバムは、マッコイ・タイナーのピアノ・トリオ盤として秀逸の出来である。フロントの管楽器が無い分、タイナーのピアノが堪能できる。タイナーもそれを心得てか、ガーンゴーンと左手のハンマー奏法をかましつつ、右手のシーツ・オブ・サウンドが疾走する。いつものスタイルなのだが、トリオという編成が功を奏してか、何時にも増して迫力が凄い。火の玉の様なハンマー奏法に思わず仰け反る。

重厚かつスピリチュアルな演奏。コルトレーン・ジャズの継承であるが、ドラムのエルヴィン・ジョーンズはそれを良く心得ていて、限りなく自由度の高いポリリズムを叩き出しつつける。そして、ちょっと驚いたのだが、ロン・カーターのベースが、マッコイ・タイナーのピアノに良く合っている。幅広のロンのベースって、タイナーの右手のシーツ・オブ・サウンドとの相性がとても良い感じなのだ。

タイナーのトリオ編成のアルバムの中でも屈指の出来。地味で見栄えのしないジャケットで損をしているみたいだが、怯まずに手にすべき、ピアノ・トリオの好盤だと思います。トリオ演奏と思えないほどの、重厚かつ壮大な音の展開と音の重なり。ピアノ・トリオの可能性と限界を一度に聴かせてくれる優れものです。
 
 
 
★東日本大震災から6年10ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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コメント

初めまして、ジャズ喫茶「松和」のマスター様。
雨に日に聴くジャズの名曲を検索していて、このブログを偶然見つけました。

私は,福岡県でラジオパーソナリテイをしています「美憂雨・みゆう」と申します。
番組は、毎週土曜17時からの「美憂雨のJAZZ・BARへようこそ」です。
この番組は、昨年1月から始めましたが、その前の局でもジャズ&クラシックの番組を7年間していました。
いまは、まさかの9年目です。

これから、ゆっくり記事を読み勉強します。

ジャズ喫茶「松和」さんとの出逢いに、今夜はカンパイします。
これから、どうぞ宜しくお願い致します。


はじめまして、美憂雨さん。松和のマスターです。
 
いや〜、ラジオパーソナリテイの方からのコメント、恐れ入ります。とっても嬉しいです。福岡の放送とのこと。こちらは千葉県北西部地方ですので、聴けないのが残念です。
 
ここバーチャル音楽喫茶『松和』は、『こんな音楽喫茶があったら・・・』という想いを、ホームページで実現した、インターネット上の『仮想喫茶店』です。日頃、聴いているジャズ盤のご紹介がメイン。また、いろいろコメントいただければ、ありがたいです。
 
これからも、ご贔屓に(笑)。よろしくお願いします。
 

松和のマスター様。
2回目のコメントです~こんにちは。
コメントへ返信を,今朝気づき読みました。
大変失礼致しました。
マスターは千葉県在住とのことですが、番組はインターネットで日本中でお聞きになれますよ。
沖縄から北海道までジャズフアンの方が聴いて下さっています。
良かったら,聴いてみて下さい(下記が聴き方です)
今日19日(土)17時からです。
インターネット・ラジオで、お聴きになれます(↓↓まで読んでね)
(1)http://listenradio.jp/ へ。
(2)CHANNELのAIRSTATIONHIBIKI・番組表をクリック。
(3)左上に生放送中の番組名「美憂雨のJAZZ・BARへようこそ」が出るので、確認してスタートです。
●スマートフォンで聴かれる方は、
アプリ「リスラジ」をインストールしてから、全国のラジオ→AIR STATION HIBIKI を、タップしてください。
毎週土曜17時から、生放送です。
「美憂雨のJAZZ・BARへようこそ」を、お楽しみに。
番組へのメールをお待ちしております(テーマは自由です)
番組へのメールは、@hibiki882.jpへ。
必ず「美憂雨(みゆう)」宛にお願いします。

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    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
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    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
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