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2017年12月13日 (水曜日)

明らかに新しいジャズ・オルガン

昨日に引き続き、この人のオルガンも、ほんのりファンキーなんだけど「軽快でスッキリ」している。逆に、アグレッシブで音の太い、ストレートな音がこの人の個性。従来のジャズ・オルガンの音からすると、あきらかに対極にある音。この人とは、サム・ヤヘル(Sam Yahel)。1970年生まれだから今年で47歳。バリバリの中堅オルガニスト。

『Yaya3』(写真左)というアルバムがある。Yaya3=ヤヤ・キューブド(cubedは数字の3乗)と読む。2002年の作品。ちなみにパーソネルは、Joshua Redman (ts), Sam Yahel (org), Brian Blade (ds)。ヤエルがNYのジャズ・クラブ「スモールズ」で行なっていたライヴにジョシュアが参加して、このプロジェクト=Yaya3 は立ち上がった。

このプロジェクト=Yaya3の実質的なリーダーは、サム・ヤヘル。そして、このヤヘルのオルガンが実に魅力的なのだ。こってこてのファンクネスはかなり希薄。つまり、オルガンの演奏スタイルは、ジャズ・オルガンの大御所、ジミー・スミスの様なものでは無く、オルガンのコルトレーンと呼ばれたラリー・ヤングに近い。軽快でスッキリ、アグレッシブで音の太い、ストレートな音。
 

Yaya3

 
ストイックなまでにアグレッシブなオルガンの音色は、ストレートなグルーブ感を生み出して、シャープにうねる。音の雰囲気とくすみは明らかにジャズのものであり、このアルバムでのヤヘルのオルガンは、ストレート・アヘッドな純ジャズ系のオルガンである。コマーシャルに走らず、あくまで硬派にモード・ジャズを極めていく。

そんなヤヘルのオルガンに、ジョシュアのテナーが魅力的に絡む。ジョシュアのテナーは、コルトレーンとロリンズを足して2で割って、ロリンズ寄りに個性を寄せた感じ。硬派でストレートではあるが歌心に富んだテナーは、他に有りそうで無い個性。それが、軽快でスッキリ、アグレッシブで音の太い、ストレートなヤヘルのオルガンに絡むのだ。新しいオルガン・ジャズの響きが芳しい。

そして、そんな二人を鼓舞する、ポリリズミックな千手観音ドラミングのブライアン・ブレイド。硬軟自在、緩急自在なドラミングが、旋律をアドリブ・ラインを自由度高く司るフロント二人を手厚くサポートする。そして、アルバムを聴き終えた後、耳に一番残っているのはヤヘルのオルガン。現代の、明らかに新しいジャズ・オルガンの音である。
 
 
 
★東日本大震災から6年9ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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