ユニークで多彩な個性的ロック
高校時代から大学時代、リアルタイムで体験していた。その音世界が気になって、その都度その都度、チャレンジするんだが、なかなか体に入らない。聴く度に「敗退」していたロック・バンドがある。グレイトフル・デッド(Grateful Dead)。1965年、米国西海岸で結成されたロック・バンド。スタイルはユニークで多彩。他のロック・バンドとは一線を画する存在。
1970年代後半、グレイトフル・デッドを聴く度に「ん〜、良く判らん」。それでも、その音をFMで耳にする度になぜか聴きたくなる。それで再びチャレンジするのだが「ん〜、良く判らん」の繰り返し。1980年代に入って、一旦はグレイトフル・デッドを諦めることになる。
さて、2001年だったと記憶する。グレイトフル・デッドのボックス盤がリリースされる。その名は『Golden Road』。rグレイトフル・デッドワーナー時代の全オリジナル・アルバムにDeadの真骨頂であるライヴ音源、未発表音源などをCD12枚に収めたボックス・セットである。このボックス盤を入手し、グレイトフル・デッドに再チャレンジ。今では、グレイトフル・デッドは、僕のお気に入りバンドのひとつになった。
僕はデッドを、大学時代最終年の1981年のアルバムから遡って聴くことが「マナー」である。1981年の作品、Grateful Dead『Reckoning』(写真)から遡って聴きなおすと、デッドの「ユニークで多彩」という個性が良く判るのだ(恐らく僕だけだけど)。1981年のロック&ポップスは「AOR」の時代。そんな中で、この盤はなかなかユニークな内容に仕上がっている。
バンド結成15周年を記念したライヴが収録されたライブ盤である。1980年の秋に行われたライヴを収録したもの。アコースティック・セットとエレクトリック・セットから構成され、サンフランシスコとニューヨークで計21回に渡って行われた。そのアコースティック・セットが収録されたのがこの『Reckoning』。
ライブ音源は「その時のデッドの個性」をダイレクトに体験できる。このアコースティック・セットの基本は米国ルーツ・ミュージック。カントリーやジャズ、ブルースなどの要素を取り込み、散りばめられている。主にブルーグラスやカントリー、ブルースなど米国ルーツ・ミュージックのカヴァーが演奏されていて、デッドの個性の基本が良く判る。
デッドの演奏の特徴は「暖かみがあり、ゆるくて心地良い」。演奏は精緻にカッチリ整った演奏では無い。逆に適度に緩くて心地良い。ジャズのアドリブ展開の様に、心地良い自由と緩く大らかな規律の中で、ほんわかソウルフルな歌唱と演奏が繰り広げられる。
このデッドの演奏の特徴である「暖かみがあり、ゆるくて心地良い」が、若き日には理解出来なかったのだ。聴く心に余裕と寛容さが無かったのだろう。2001年、ボックス盤を入手した時が43歳。人生も半ばを過ぎ、やっと聴く心に余裕と寛容さが備わって、やっとこさ、グレイトフル・デッドの個性が理解出来た次第。テンション高く尖っているばかりが人生では無いとデッドは教えてくれた。
東日本大震災から6年8ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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