従来の純ジャズに無い響きが新鮮
僕はこの人のドラミングが気に入っている。Brian Blade(ブライアン・ブレイド)。1970年7月25日生まれ。今年で47歳になる。中堅ドラマー。ポリリズミックなドラミング、理知的なハイハット、切れ味の良いバスドラ。今までのジャズ・ドラマーに無い「佇まい」を感じる。
そんなブライアン・ブレイドがデビュー以降、現在まで活動を続けているフェローシップ・バンド。このアルバムは、このフェローシップ・バンドを率いての約3年ぶり新作。Brian Blade & The Fellowship Band『Body and Shadow』(写真左)。今年の10月のリリース。
ちなみにパーソネルは、Brian Blade (ds), Jon Cowherd (p, harmonium, mellotron), Chris Thomas (b), Melvin Butler (ts), Myron Walden (as, b-cl), Dave Devine (g)。コンテンポラリー・ジャズな響きをしっかりと宿した演奏で、従来の純ジャズに無い音の響きが新鮮。ハーモニウム、メロトロンなど、珍しい鍵盤楽器の存在が面白い。
音作りの根底に、ジャズを始めとして、ロック・カントリーなどの音の要素が取り込まれている様で、意外とポップ。ファンクネスは適度に抑えられていて、流麗で耳当たりの良い音は、ちょっと聴いていると「スムース・ジャズか」と感じる。全編抑え気味というか、全体的に静謐な感じ。しかし、しっかりと適度なテンションが張っていて、全編聴き通して飽きることは無い。
しかし、ブレイドのドラムとクリス・トーマスのベースが、しっかりとメンストリーム・ジャズなリズム&ビートを供給するので、この流麗で耳当たりの良い音は「純ジャズ」の範疇にしっかりと留まっている。ゆったり目の演奏が多い中、リズム・セクションの「引き締め」と「鼓舞」は重要な役割を果たすのだが、ブレイドのドラムとトーマスのベースは素晴らしいの一言。
ジャケットを見れば、これは「スムース・ジャズ」ですね。とても、コンテンポラリーな純ジャズな盤だとは思えない。これだけがマイナス点かな(笑)。実に知的で流麗、それでいて適度に張ったテンションが心地良い、なかなかの好盤だと思います。聴けば聴くほど味が出る、そんな盤です。
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