好盤なばかりがジャズでは無い
昨日の夜から、思いっきり涼しくなった、我が千葉県北西部地方。少なくとも半袖では寒くていけない。長袖のカッターシャツでも、ちょっと寒い。夏のジャケットを羽織ってやっと良い感じの涼しさである。聞けば、10月上旬の涼しさとか。あれ、今日はまだ9月1日なんですけど(笑)。
でも、これだけ涼しくなると、ジャズ盤鑑賞については、何でもOKである。ハードなフリージャズだって、これだけ涼しいともうOKである。で、今日は思いっきり硬派でハードバップな演奏を聴こうと思い立った。それも切れ味の良い、爽やかどころの、コッテコテのハードバップが良い。で、選んだ盤がこれ。
Lee Konitz『Live At the Half Note』(写真)。1959年2月〜3月、NYのライブハウス、ハーフノートでのライブ録音。ちなみにパーソネルは、Lee Konitz (as), Warne Marsh (ts), Bill Evans (p), Jimmy Garrison (b), Paul Motian (ds)。目を惹くのは、ピアノにビル・エバンスが座り、ベースはギャリソン、モチアンがドラム。なんか凄い面子ではないか。が、絵に描いた様な好盤かと言えば、そうでも無いところがこの盤の面白いところ。
ではあるが、良い感じのハードバップなコニッツである。しかしながら、当時は発表されず、10数年前にようやく発売されたようだが、ながらく入手困難状態が続いた。そんなにチープな内容だったのか、と思いつつ聴くと、まず、コニッツは我関せず、マイ・ペースで吹きまくっている。意外と硬派に、ほんのりアブストラクトに吹きまくる。
そこに、ビル・エバンスのピアノが、これまた意外とアブストラクトに入ってくる。もともと、ハード・バッパーなピアノが基本のエバンスである。かなり硬派にガンガンいく。しかも、タイミングがおかしかったり。アブストラクトなエバンスに慣れてない方には違和感があるだろうな。しかし、これもまた、エバンスの本質である。ある日ある時の、普通なハードバップのライブ・セッションを切り取ったドキュメントなライブ盤なのだ。
確かに絵に描いた様な、素晴らしいハードバップ盤では無いかもしれない。でも、この盤にはハードバップなエネルギッシュな演奏がギッシリである。これを良しと聴くか、これを良く無いと聴くか。それは聴く側の自由。しかし、僕はこの盤に詰まっている、綺麗事ばかりじゃない、このドキュメンタリーの様なハードバップなジャズの雰囲気が意外と好きだ。
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