日本発モーダルなジャズユニット
日本出身の面白いユニットがある。DJ/音楽プロデューサー・ユニット、Kyoto Jazz Massiveの沖野修也が2015年に始動させたアコースティック・ジャズ・ユニット「KYOTO JAZZ SEXTET」。1960年代のブルーノートの新主流派モード・ジャズを核にしつつ、現在のジャズのトレンドをしっかり押さえた、コンテンポラリーな純ジャズ・ユニットである。
そんな「KYOTO JAZZ SEXTET」が、2年ぶりのセカンド・アルバムをリリースした。前回のファースト盤『Mission』は、全8曲中7曲目まで、ブルーノート・レーベルのモード・ジャズ中心の新主流派の名曲をカヴァーしていたが、今回は、全編書き下ろしの新曲で固め、モード・ジャズをメインに、スピリチュアル・ジャズとヒップ・ホップを加味している。
そのセカンド盤とは、KYOTO JAZZ SEXTET『UNITY』(写真左)。ちなみにパーソネルは、沖野修也(produce) 平戸祐介(p) 小泉P克人(b) 天倉正敬(ds) 類家心平(tp) 栗原健(ts)タブ・ゾンビ(tp) トモキ・サンダース(ts) ナヴァーシャ・デイヤ(vo)。
オリジナル・メンバーに加え、タブ・ゾンビ(SOIL&"PIMP"SESSIONS)、ファラオ・サンダースの息子の新進気鋭のサックス奏者トモキ・サンダース、そして、 元ファータイル・グラウンドのソウル・ディーヴァであるナヴァーシャ・デイヤがゲスト参加。このゲスト参加で、スピリチュアル・ジャズとヒップ・ホップの味付けを加味している。
今回、加味された「スピリチュアル・ジャズとヒップ・ホップ」の要素についてはちょっと微妙かな。現代のモード・ジャズで勝負するユニットにボーカルは必要だったのか、とも思うし、ボーカルが入っている分、聴き易さが増した、とも言える。ジャズとヒップ・ホップの融合は難しいなあ、というのが本音かな。でも、スピリチュアル・ジャズの要素についてはプラスに働いているので、チャレンジとしては合格点かと。
演奏全体の雰囲気はファースト盤と同様「モード・ジャズ」がメイン。これだけ、今風にモード・ジャズをサクサクと演奏するユニットはなかなか無い。音の切れ味も良く、モードの展開も実にスムーズで爽快。1950年代後半、マイルスが中心になって始まった「モード・ジャズ」であるが、ここまで深化したのか、と感慨深くなる演奏ばかりである。
東日本大震災から6年5ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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