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2017年8月28日 (月曜日)

こんなアルバムあったんや・88

長年ジャズを聴いていると、勘が働くことがある。この盤って絶対良いよ、と言いたげなジャケット。よく「ジャケ買い」という言葉があるが、それに近い感覚かな。なんか良い音するぜ、とピピッと来る。そういう時は迷わず「ポチッ」として良いのだ(笑)。

最近のそんな一枚がこれ。Eric Ineke『Let There Be Life, Love and Laughter』(写真左)。まず、リーダーのEric Ineke=エリック・イネケとは誰か。オランダの正統派ベテラン・ドラマー。1947年4月生まれなので、今年で70歳になる。この盤はイネケの70歳の誕生日に作られた盤で、1968年から2014年のキャリアの中から8曲選んだもの、とのこと。

この8曲が面白い。Eddie“Lockjaw”Davis(ts), Dexter Gordon(ts), Johnny Griffin(ts), Grant Stewart(ts), David Liebman(ts), Clifford Jordan(ts), Lucky Thompson(ts), George Coleman(ts)、と8人の個性溢れるベテラン・テナーマンとのライブ演奏を集力しているのだ。名前を見るだけで、その癖のある、一筋縄ではいかない、実に魅力的なテナーマン達。キャリアが長く共演テナーマンが多いイネケだから出来る、実に面白い内容の企画盤である。
 

Let_there_be_life_love_and_laughter

 
これだけ個性あるテナーマンがフロントに入れ替わり立ち替わり立つのであるが、これが面白い事に、アルバム全体がしっかりと一定のトーン、演奏の雰囲気で統一されているのだ。聴き通してみると判るのだが、やはりリーダーのイネケのドラミングがそんな「統一感」の源なのだ。

ちょっとラフで半拍ほど遅れて入るオフビートなんだが、しっかりとグルーブ感を醸し出していて、細波のようにシンプルなビートがアルバム全編に渡って溢れている。このグルーブ感がフロントのテナーをしっかりとサポートし、しっかりと鼓舞する。テナー・ソロを惹き立てる、伴奏上手なドラミング。イネケのドラミングの実力の高さを思い知る。

リーブマンによるライナーノーツが書かれているが、そこには「エリック・イネケがドラムなら、必ずスイングする」と書かれている。う〜ん、この一言に尽きるなあ。細波の様にパルスの拡がりでスイングするイネケのドラミング。ハイハットの多用、呼応するように合いの手の様に入るラフなスネア。米国には無い、独特な個性の和蘭のドラミングである。

 
 

東日本大震災から6年5ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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