R&Bを取り込んだフュージョン
昨日、キング・カーティスの「フィルモア・ウエスト」のライブ盤をご紹介した。音の雰囲気は、ソウル・ジャズ+R&Bのクロスオーバー・ミュージック。インスト・ナンバーを聴いていて、どっかで聴いたことあるぞ〜、しかも僕の大好きな音の雰囲気。
そう「The Gadd Gang(ガッド・ギャング)」である。ドラムスがスティーブ・ガッド、キーボードがリチャード・ティー、ギターがコーネル・デュプリー。ふふっ、1970年代後半、伝説のフュージョン・バンドの「Stuff」の再来。加えて、ベースは純ジャズ畑でならした(あのビル・エバンスと長年トリオを組んだことでも有名な)エディ・ゴメスと、バリトン・サックスの雄、ロニー・キューバ。
演奏する曲は、ソウル・ミュージック(いわゆる「R&B」)の名曲が中心。コッテコテのR&Bを取り込んだフュージョン・ジャズ。フュージョン・ジャズのウリは「ソフト&メロウ」、それに加えて、ガッド・ギャングの個性は「ファンキー&ソウルフル」。往年のソウル・ミュージックのエッセンスをタップリと取り込んだ、上質なフュージョン・ジャズな演奏である。
その個性は、デビュー盤(1986年)の『The Gadd Gang』(写真左)で存分に味わえる。冒頭の「Watching The River Flow」を聴くだけで、R&Bを取り込んだフュージョン・ジャズのご機嫌なノリが味わえる。ガッドの縦ノリ・ドラミングがソウル・ミュージックにこんなにフィットするとは思わなかったなあ。ラストの「Honky Tonk/I Can't Stop Loving You」には痺れっぱなし。
このガッド・ギャングの熱気溢れるライブ演奏の雰囲気は『Live at The Bottom Line』(写真右)で堪能出来る。1988年のNYのボトムラインでのライブ録音なんだが、熱気十分の充実ライブ盤である。ライブ音源なので、演奏の荒い部分や音の厚みが薄い部分が見え隠れするが、演奏の熱気とテンションは十分。こういうライブが日常から行われていたなんて、ほんと羨ましいなあ。
ありそうで意外と希少なコッテコテのR&Bを取り込んだフュージョン・ジャズ。このガッド・ギャング以外にはなかなか見当たらない。貴重な存在である。フュージョン・ジャズの良いところもしっかりと取り込んで、個性的な演奏が今の耳にも心地良い。
★東日本大震災から6年3ヶ月。決して忘れない。まだ6年3ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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