ライトハウスのエルヴィンです
ジャズのライブ録音で有名な「ライブハウス」がある。例えば、米国東海岸ニューヨークでは、ブルーノート、ヴィレッジヴァンガード、バードランドなどが有名。それでは、米国西海岸では、と問えば、まず、ロサンゼルスのハモサビーチにある「ライトハウス」が浮かぶ。「ライトハウス」かあ。
ライトハウス、と聴いて、まず思い浮かぶライブ盤が、Elvin Jones『Live at the Lighthouse』(写真左)。1972年9月9日の録音。ちなみにパーソネルは、Elvin Jones (ds), Steve Grossman (ts, ss), Dave Liebman (ts, ss, fl), Gene Perla (b)。ブルーノート・レーベルからのリリース。
リーダーのエルヴィンのドラムにフロントの2サックス、そしてベース。おや、ピアノがいない。そう、このライブ演奏、ピアノレスの変則トリオ。フロントにサックスが2本。当時、中堅に差し掛かった頃のスピリチュアルなブロウの担い手、スティーヴ・グロスマンとデイヴ・リーブマン。バックにポリリズムの権化、エルヴィン・ジョーンズが控える。
ピアノが無い。打楽器の役割も果たせるピアノが無い。ドラムのエルヴィンはより自由に叩きまくる。メロディー楽器の役割も果たせるピアノが無い。コードを規定するピアノが無い。フロントの2サックスは、思いっきり自由に吹きまくる。マイルス・バンドから抜けたばかりのグロスマンと、これからマイルス・バンドに参加するリーブマン。目眩く、凄い素晴らしい「吹きまくり」。
しかし、である。当然ながら、リーダーのエルヴィン・ジョーンズのドラミングがとても素晴らしい。フロントの2テナーを鼓舞するばかりか、巧みなドラミングでビートもしっかりと供給しており、これではベースは不要ではないか。確かにベースのジーン・パーラは「しんどそう」。エルヴィンの盟友らしいのだが、このライブでのエルヴィンは手加減しない。何かに取り憑かれたが如く、バッシバッシと叩きまくる。
コンプリート盤も出ているが、まずはリリース時と同様のLP2枚組編成のCDをお勧めしたい。録音のトータル時間も適度で、飽きること無く、心地良いテンションの下、このライブ盤を愛でることが出来る。そうそう、このアルバムのジャケットのイラストには「引いてはいけない」。中身はホットで、吹きまくりテナー&叩きまくりドラムの好盤です。
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