アーティスティックなビ・バップ
暑いですね〜。今年は特に蒸し暑い。これだけ蒸し暑いと体力を奪われて、もう音楽を聴くどころの騒ぎでは無い(笑)。でも、ジャズは聴きたい。これだけ蒸し暑いと、ジャズを聴くのにエアコンは欠かせません(笑)。
ということで、エアコンを効かせた涼しい部屋で聴くジャズ。ピアノ・トリオが良い。最近、この人のピアノ・トリオをちょくちょく選盤して聴いている。シンプルで聴き易い。でも、我が国ではとんと人気が無い。ジャズ雑誌やジャズ盤紹介本で、このピアニストの名前が挙がることは僅少。
それでも、この人のピアノは聴き易い。アーティスティックなビ・バップである。他のビ・バップなピアニストの様に、テクニックを最高レベルに見せつつ、アクロバティックにアドリブ展開し、拍手喝采を獲得するような、エネルギッシュに弾き倒すビ・バップなピアノでは無い。ちょっとアーティスティックに洒脱なビ・バップなフレーズを弾く、お洒落なビ・バッパーである。
そんな彼のピアノが堪能できる盤がこれ。Billy Taylor『At The London House』(写真左)。1956年1月の録音。ちなみにパーソネルは、Billy Taylor (p), Percy Brice (b), Earl May (ds)。ビリー・テイラー以外、ベースもドラムも知らない名前。どうも、ビリー・テイラーは、僕達が聴いていたジャズとは少し外れたところに居た様に思う。
ビリー・テイラーは、1921年7月27日、ノース・キャロライナ生まれ。2010年に鬼籍に入っている。ジャズメンの中ではかなりの古手。年齢的に、ビリー・テイラーの身に染みたメインのスタイルは「ビ・バップ」。アメリカ国内では、数々の音楽的功績から「Dr. Taylor(テイラー博士)」と敬意を表され、逆に我が国では「うまい人だが、学者っぽくて何故かあまり面白みが無い」と揶揄された。
しかし、そんな我が国での揶揄は「聴かず嫌い」の典型的な例。まずは聴くこと。アーティスティックで粋なビ・バップ・ピアノが堪能できる。テクニックも確か、アーティスティックで洒脱なアドリブ展開が見事だ。加えて、演奏のアレンジが意外と洒落ている。黒人のコッテコテ、ファンキーなジャズとは対極にいるような、洒脱なビ・バップなフレーズ。なかなかの個性です。
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