音楽喫茶『松和』の昼下がり・55
暑い。雨が降らない。完全に空梅雨状態の我が千葉県北西部地方。とにかく暑い。昼は猛暑日、夜は熱帯夜。まだ今日は7月は14日。通常なら梅雨空真っ只中。梅雨後期で、まとまった大雨なんかが降る時期である。が、空は雲はあれど晴れ渡り、とにかく蒸し暑い。
こんな猛暑の時には、ハードな純ジャズなんて以ての外である。暑くてバテる。確かに逆療法的に、思いっきりハードなバップ演奏を聴いて汗をダラダラ流してスッキリする、ってことも考えられなくもないが、もうすぐ還暦のこの歳でそのチャレンジは危険すぎる。加えてフリー・ジャスやスピリチュアル・ジャズも絶対駄目。バテて立ち上がれなくなる(笑)。
こういう猛暑の昼下がりは、エアコンの効いた部屋の中で、クールで洒脱なジャズを聴くのが良い。クールで洒脱とくれば「The Modern Jazz Quartet(以降略してMJQ)」。メンバーは、Milt Jackson (vib), John Lewis (p), Percy Heath (b), Connie Kay (ds)。伝説の4人。4人全員、鬼籍に入っている。恐らく、あの世でやっぱりMJQを結成している様な気がする。
室内楽的な雰囲気が個性の「お洒落な」純ジャズなカルテットである。クラシックの手法を用いたアレンジや演奏時の衣装がタキシードであったり、ちょっとハイソサエティなジャズ・バンドである。それでいて、気取ったところは全く無く、クールにスイングするところや、そこはかとなく醸し出すファンクネスが、それはもう「お洒落」なジャズ・カルテットである。
そんなMJQの実力のほどはこのライブ盤で堪能出来る。The Modern Jazz Quartet『The Complete Last Concert』(写真左)。1974年11月25日、NYはエイヴリー・フィッシャー・ホールでの、タイトル通り、MJQの解散コンサートのライブ録音になる。これがもう圧巻な内容。4人の名手それぞれが弾きまくる叩きまくる。テンション高く、ラストに行くに従い、ブンブン思いっきり振れるが如くスイングしまくる。
熱いホットな演奏がてんこ盛りなんだが、決して汗はかかない。抑制の美、とでも形容したらよいのだろうか、途方も無くクールな演奏なのだ。とにかく演奏の質は途方も無く高い。爽やかさが半端ない。こんな猛暑の夏の昼下がり、エアコンの効いた涼しい部屋の中で聴くMJQ。至福の時、とっておきの「夏バテ防止法」である。
★東日本大震災から6年4ヶ月。決して忘れない。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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