« 音のクオリティは「ヤバい」 | トップページ | トニーを忘れてはならない 『Native Heart』 »

2017年6月27日 (火曜日)

目眩く圧倒的なポリリズムです

ジャズ・ドラムの個性を愛でるのは意外と楽しい。最初はドラムの音って、皆、同じに聴こえるのだが、ジャズを聴き込むに従って、ジャズ・ドラムの音が個性に満ちているのが判る様になる。ジャズ・ドラムの個性が判る様になると楽しい。少なくとも1曲聴けば、個性が強いドラムの音だと誰のドラミングなのかが判るようになる。

この人のドラミングも個性的だ。1曲聴き込めば直ぐに判るほど強い個性である。粘りのあるシャープなドラミング。そして、何本腕があるんだ、この人のタイム感覚はどうなってるんだ、と思うほどの圧倒的なポリリズム。フロント楽器をポリリズムで煽るところなんぞは圧巻である。その人とは、Elvin Jones(エルヴィン・ジョーンズ)。

そんなエルヴィン・ジョーンズのドラミングを堪能出来るアルバムがこれ。Elvin Jones『The Ultimate』(写真左)。1968年9月の録音。ちなみにパーソネルは、Elvin Jones (ds). Joe Farrell (ts, ss, flute), Jimmy Garrison (b)。パーソネルを見て「おおっ」と思う。ドラマーがリーダーのピアノレス・トリオである。
 

The_ultimate1

 
フロント楽器がピアノによるコードの束縛を嫌って、ピアノレス・トリオ編成にするというのは良くあるのだが、ドラマーがリーダーのピアノレス・トリオは他に記憶が無い。が、聴いてみると、風通しが良いというか、音通しが良いというか、それぞれの楽器演奏の輪郭がクッキリ浮かび上がる。

特にドラムの音がこんなにハッキリ聴きとれるとは思わなかった。そういえば、ピアノは打楽器の役割(リズムのキープ)も担う。つまり、ピアノがいるということはリズム・キープの役割をする楽器が2つ被るということなのか。まあ、普通のドラマーであればそれで良いかと思う。しかし、エルヴィンの様に、圧倒的なポリリズムを供給するドラマーとしては、逆にピアノの存在は邪魔なんだろう。

凄まじいばかりのドラミング。圧倒的なポリリズムで煽られて、ファレルのテナーがソプラノがフルートが飛翔する。そして、黙々と重低音を響かせながらビートを供給するギャリソンのベースも聴きものだ。圧倒的なポリリズムでリズムを一手に引き受け、エルヴィン・ジョーンズは叩きまくる。このアルバム、圧倒的です。
 
 
 
★東日本大震災から6年3ヶ月。決して忘れない。まだ6年3ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

保存

保存

« 音のクオリティは「ヤバい」 | トップページ | トニーを忘れてはならない 『Native Heart』 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 目眩く圧倒的なポリリズムです:

« 音のクオリティは「ヤバい」 | トップページ | トニーを忘れてはならない 『Native Heart』 »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  

カテゴリー