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2017年6月14日 (水曜日)

安定のチャーラップ・トリオです

ピアノ・トリオが好きだ。ジャズ盤を続けて聴いていると、4枚に1枚の割合でピアノ・トリオが入ってこないと調子が出ない。昔、自分もピアノを弾いていた時代があって、ピアノを弾く、という行為の難しさや面白さを、他の楽器よりも自らの体験をもとに理解できるということで、ピアノ・トリオが良い。

もともと昔から、Bill Charlap(ビル・チャーラップ)のピアノが好きで、20年ほど前からずっと追いかけている。ビル・エバンスからブラッド・メルドーへと通じるピアノの個性の系譜ありながら明確で硬質な「バップなタッチ」。突出した個性では無いので、ちょっと判り難いのだが、耽美的ではあるが雰囲気に流されず、明確で硬質なタッチで、流麗かつ端正に弾き回す。これがチャーラップの個性である。

そんなチャーラップの最新作がこれ。Bill Charlap『Notes from New York』(写真左)。2015年6月の録音。昨年4月のリリース。パーソネルは、Bill Charlap (p), Peter Washington (b), Kenny Washington (ds)。最近の鉄壁のトリオ。ベースとドラムの「Washington」姓はたまたまで、血縁関係がある訳では無いそうだ。
 

Notes_from_new_york1

 
安定のチャーラップである。本当に安定している。冒頭の「I'll Remember April」を聴くだけで、ああチャーラップやなあ、と思う。オーソドックスなスタンダード曲なんだが、ただ流麗に弾き回すのでは無い。印象的な音の「ずらし」や間の取り方で、アドリブ・フレーズが印象的に浮かび上がる。そう、ただ流麗で端正なピアノでは無いところがチャーラップの曲者たる所以である。

ただ流麗で端正なピアノであれば、イージーリスニングと揶揄されても仕方が無いが、チャーラップのピアノはそんなに簡単なピアノでは無い。流麗で端正なフレーズの中に、なんか良い意味で「引っかかる」何かが仕掛けられている。小粋なフレーズ回しとでも形容すれば良いのか、聴き込めば聴き込むほど、面白さが増していく、そんな玄人好みのピアノである。

バックの「Wワシントン」のリズム・セクションも申し分無い。チャーラップのピアノとの合い相性は抜群。そして、なんといっても、このアルバムのジャケット・デザインが秀逸。抽象画の様なイラストをあしらった秀逸なもの。ジャケ買い対象としても良い盤。我がバーチャル音楽喫茶「松和」では、意外とヘビロテ盤になっています。聴けば聴くほど味わい深くなる。そんな好盤です。
 
 
 
★東日本大震災から6年3ヶ月。決して忘れない。まだ6年3ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

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