ジャズ喫茶で流したい・108 『King Curtis Live at Fillmore West』
小学校の高学年の頃から、今で言う「R&B」な音楽が好きであった。今から50年ほど前になるのだが、オフビートの黒人中心の音楽に何故か心を惹かれた。1960年代後半から1970年代前半には「ソウル・ミュージック」と日本では呼ばれた。いわゆる「魂」の歌というイメージから「ソウル」。今から思えば、かなりこじつけなジャンル言葉である。
『King Curtis Live at Fillmore West』(写真左)。1971年3月5〜7日、当時のロックの殿堂「フィルモア・ウエスト」でのライブ録音。アレサ・フランクリンのフィルモア・ウエストでのライブでのバックをつとめたキング・カーティスのアレサが登場する前の演奏のライブ。所謂「前座」の演奏なんですが、これが「前座」ですか〜(笑)。
演奏の雰囲気は、バックの演奏は「ソウル・ジャズ」。カーティスの歌唱は明らかに「R&B」。時は1971年、ジャズのトレンドは「クロスオーバ−」。このキング・カーティスのライブ盤、内容は、ソウル・ジャズ+R&Bのクロスオーバー・ミュージックである。後のフュージョン・ミュージックの個性「ソフト&メロウ」なんて欠片も無い。あるのは汗飛び散るブラック・ファンクなソウル・ミュージック。
むっちゃ雰囲気の良いR&Bコッテコテのカーティスのパフォーマンス。圧倒的な迫力溢れるボーカル、押し引きをわきまえたノリ、グループ感溢れんばかりのリズム&ビート。もうノリノリ、爆発するファンクネス。逆にスローな曲も良い。特に「青い影」のカバーは絶品。黒くアーバンなリズム・セクション。情感溢れるカーティスのパフォーマンス。絶品である。
当時としては斬新なエフェクトをかけたエレクトリック・サウンドを駆使してのブロウ、ファンクネス濃厚なリズム・セクション。後のR&Bの演奏展開のお手本となった個性的な演奏がこのライブ盤にギッシリと詰まっています。うねるホーン・セクションも隅に置けない。R&B/ソウルの代表的名盤ですね。
ソウル・ジャズ+R&Bのクロスオーバー・ミュージックのノリが心地良い。収録曲も全てが魅力的で楽しい。R&Bの雰囲気濃厚なので、硬派なジャズ者の方々からは「これはジャズではない」レッテルを貼られそうな盤ですが、そういう器量の狭いことを言っていけない。ジャンルを超越した「聴いて楽しいノリの良い音楽」がここにあります。とにかく一聴あるのみ、です。
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