« こんなアルバムあったんや・83 | トップページ | R&Bを取り込んだフュージョン »

2017年6月30日 (金曜日)

ジャズ喫茶で流したい・108 『King Curtis Live at Fillmore West』

小学校の高学年の頃から、今で言う「R&B」な音楽が好きであった。今から50年ほど前になるのだが、オフビートの黒人中心の音楽に何故か心を惹かれた。1960年代後半から1970年代前半には「ソウル・ミュージック」と日本では呼ばれた。いわゆる「魂」の歌というイメージから「ソウル」。今から思えば、かなりこじつけなジャンル言葉である。

『King Curtis Live at Fillmore West』(写真左)。1971年3月5〜7日、当時のロックの殿堂「フィルモア・ウエスト」でのライブ録音。アレサ・フランクリンのフィルモア・ウエストでのライブでのバックをつとめたキング・カーティスのアレサが登場する前の演奏のライブ。所謂「前座」の演奏なんですが、これが「前座」ですか〜(笑)。

演奏の雰囲気は、バックの演奏は「ソウル・ジャズ」。カーティスの歌唱は明らかに「R&B」。時は1971年、ジャズのトレンドは「クロスオーバ−」。このキング・カーティスのライブ盤、内容は、ソウル・ジャズ+R&Bのクロスオーバー・ミュージックである。後のフュージョン・ミュージックの個性「ソフト&メロウ」なんて欠片も無い。あるのは汗飛び散るブラック・ファンクなソウル・ミュージック。
 

King_curtis_live_at_fillmore_west

 
むっちゃ雰囲気の良いR&Bコッテコテのカーティスのパフォーマンス。圧倒的な迫力溢れるボーカル、押し引きをわきまえたノリ、グループ感溢れんばかりのリズム&ビート。もうノリノリ、爆発するファンクネス。逆にスローな曲も良い。特に「青い影」のカバーは絶品。黒くアーバンなリズム・セクション。情感溢れるカーティスのパフォーマンス。絶品である。

当時としては斬新なエフェクトをかけたエレクトリック・サウンドを駆使してのブロウ、ファンクネス濃厚なリズム・セクション。後のR&Bの演奏展開のお手本となった個性的な演奏がこのライブ盤にギッシリと詰まっています。うねるホーン・セクションも隅に置けない。R&B/ソウルの代表的名盤ですね。

ソウル・ジャズ+R&Bのクロスオーバー・ミュージックのノリが心地良い。収録曲も全てが魅力的で楽しい。R&Bの雰囲気濃厚なので、硬派なジャズ者の方々からは「これはジャズではない」レッテルを貼られそうな盤ですが、そういう器量の狭いことを言っていけない。ジャンルを超越した「聴いて楽しいノリの良い音楽」がここにあります。とにかく一聴あるのみ、です。 

 
 

★東日本大震災から6年3ヶ月。決して忘れない。まだ6年3ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。 

Never_giveup_4

★Twitterで、松和のマスターが呟く。名称「松和のマスター」でつぶやいております。ユーザー名は「v_matsuwa」。「@v_matsuwa」で検索して下さい。
 

保存

保存

« こんなアルバムあったんや・83 | トップページ | R&Bを取り込んだフュージョン »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ジャズ喫茶で流したい・108 『King Curtis Live at Fillmore West』:

« こんなアルバムあったんや・83 | トップページ | R&Bを取り込んだフュージョン »

リンク

  • まだまだロックキッズ(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のロック」盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代ロックの記事を修正加筆して集約していきます。
  • 松和の「青春のかけら達」(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    この「松和・別館」では、懐かしの「1970年代のJポップ」、いわゆるニューミュージック・フォーク盤の感想や思い出を率直に語ります。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、70年代Jポップの記事を修正加筆して集約していきます。           
  • AORの風に吹かれて(バーチャル音楽喫茶『松和』別館)
    AORとは、Adult-Oriented Rockの略語。一言でいうと「大人向けのロック」。ロックがポップスやジャズ、ファンクなどさまざまな音楽と融合し、大人の鑑賞にも堪えうるクオリティの高いロックがAOR。これまでの、ジャズ喫茶『松和』マスターのひとりごと・ブログの中で不定期に掲載した、AORの記事を修正加筆して集約していきます。  

カテゴリー