『Since We Met』と『Re: Person I Knew』
毎日、ピアノ・トリオに耳を傾けている。ピアノ・トリオを聴き続けていると、結局、この二人のトリオ演奏に辿り着く。一人は「Bud Powell(バド・パウエル)」、もう一人は「Bill Evans(ビル・エバンス)」。どちらも、ピアノ・トリオを語る上で、絶対に外せない二人である。今日はその外せない二人のうちの一人「Bill Evans(ビル・エバンス)」のトリオ演奏を聴く。
このブログでずっとエバンスの聴き直しを進めて来たんだが、他意は無いんだけど、しばらく滞っている。ちょうど、そうファンタジー・レーベルの時代の入り口で停滞していることに気がついた。これは大変、即、再開である。
Bill Evans『Since We Met』(写真左)と『Re: Person I Knew』(写真右)。どちらも、1974年1月11, 12日、ニューヨークのヴィレッジバンガードでのライブ録音。『Since We Met』は1976年の正式リリース、『Re: Person I Knew』は1981年のリリースで、エバンス逝去後の追悼盤としてリリースされた「落ち穂拾い」盤。
そういう意味で、この『Since We Met』と『Re: Person I Knew』は2枚合わせて聴かれるべき、兄弟盤である。ちなみにパーソネルは、Bill Evans (p), Eddie Gómez (b), Marty Morell (ds)。安定性抜群の魅力のトリオである。
聴けば判るのだが、徹頭徹尾、ビル・エバンスのピアノである。冒頭のタイトル曲「Since We Met」の前奏を聴くだけで、これはビル・エバンスのピアノと直ぐ判る。躍動感溢れる明確なタッチと、独特のヴォイシングで流麗かつ芯のあるアドリブ・フレーズを聴かせてくれる。リズム&ビートも躍動感溢れ、エバンス独特のスイング感が心地良い。
ファンタジー・レーベルのビル・エバンスは、あまりに流麗で完成度が高いが故、なかなかピアノ・トリオの紹介本や初回記事に上がることは少ないのだが、どうして、その内容は一級品。ベースのゴメス、ドラムのモレロも安定のバッキング。安定と堅実のインタープレイも心地良く、このライブ盤2枚の人気が低いのがよく理解出来ない。
ジャズとして受けの良い、ダイナミックでハイテクニックのアドリブ展開、一聴するだけで判る突出した個性という大仕掛けの展開が乏しいのが受けの悪い理由かな。でも、ジャズ者ベテランのエバンス者は、こういうほのぼのとした流麗で完成度の高い、安心安定のピアノ・トリオが意外とお気に入りなのだ。
他のジャズ者の方々に知られることなく、一人でそっと聴いて、そっと愛でる、それが楽しい。そんなファンタジー・レーベル時代の冒頭を飾るエバンスのライブ盤である。
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