ワルツのリズムでスイング 『Jazz in 3/4 Time』
マックス・ローチ。ビ・バップ時代からの花形ドラマー。テクニック抜群、ビ・バップ時代の代表的ジャズメンであった、アルトのチャーリー・パーカー、ピアノのバド・パウエル、トランペットのディジー・ガレスピーなどの高速アドリブをしっかりとサポートし、支えることの出来る、素晴らしいドラマーだった。
が、ローチは目立ちたがり屋。とにかく、必要以上に前へ前へ出たがる。それが「玉に瑕」。特に、ローチがリーダーのアルバムにその傾向が強い。聴いていて、ちょっと辛くなる。本当は繊細で限りなくハイ・テクニックな、歌心あるドラミングなんだけどな〜。常々惜しいと思っていた。しかし「いや〜ほんと良いドラミングだな〜」と感じる盤も沢山あるのがローチの良いところ。
例えばこの盤。Max Roach『Jazz in 3/4 Time』(写真左)。3分の4拍子、つまり「ワルツ」のリズムの演奏で固めたバリバリの企画盤です。1956年9月と1957年3月の録音。ちなみにパーソネルは、Max Roach (ds), Kenny Dorham (tp), Sonny Rollins (ts), Ray Bryant (p, track 7), Bill Wallace (p, tracks 1-6), George Morrow (b)。
ワルツのリズムがそうさせるのでしょうか。何時になく繊細で端正で歌心のあるローチのドラミングが堪能できます。この盤ではローチは決して前へ出てこない。しかし、繊細で端正で歌心のあるローチのドラミングが演奏全体でグッと迫ってきます。ほんと素晴らしいドラミングです。
そんなローチのドラミングに乗って、ケニー・ドーハムのトランペットがバリバリと響きます。これだけバイタルに吹きまくるドーハムも珍しい。加えて、ロリンズのテナーも素晴らしいプレイを披露してくれる。やはり、何時になく繊細で端正で歌心のあるローチのドラミングが好要素なんでしょう。活き活きとした2管フロント。この盤のハイライトのひとつです。
ワルツのリズムでスイングするジャズ・ドラミング。これが出来るドラマーってそうそうはいない。マックス・ローチの面目躍如たるところである。こういうマックス・ローチ、僕は好きだ。よって、この盤は愛聴盤の一枚。ローチの凄さを思いっきり実感できます。
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