R&Bのボーカルものは大好き
昔から正統派なジャズ・ボーカルが苦手である。というか、好んで聴くことは全く少ない。なんでかなあ、と思い返してみる。ジャズ・ボーカルの中でも、レジェンドと呼ばれる女性ジャズ・ボーカルが苦手。1940年代から1950年代に活躍した女性ボーカリストって、皆、こぶしを回したり、唸ったりで、これがどうにも「苦手」。
じゃあ、ボーカルものって聴かないのか、と問われれば、いやいや、今を遡ること45年ほど前、中学時代から、R&B系のボーカル、当時は「ソウル・ミュージック」というジャンル名だったが、このR&B系のボーカルは妙に自分の感性にフィットするみたいで、ジャズの合間の耳休めに聴くことが多い。
例えば、『Roberta Flack & Donny Hathaway』(写真)。ロバータ・フラックとダニー・ハサウェイが1972年に連名で発表したスタジオ・アルバム。これを初めて聴いたのは1979年。例の大学の近くの「秘密の喫茶店」で聴かせて貰った。静かなバラード系の曲が多く選曲されていて、とっても落ち着いた、大人のソウル・ミュージックである。
両人ともスッと伸びるシュッとした声質、こぶしを回すことも唸ることもなく、シンプルに唄い上げていく。それでいて、さすがに黒人系のR&Bらしく、そこはかとなく漂うファンクネスと仄かな粘り。こういうボーカルであれば全くOKである。というか、聴き心地満点で思わずウットリである。加えて、両人とも歌がとてつもなく上手い。
2曲目のキャロル・キングの「You've got a friend」は絶品だ。バックのエレクトリックな明らかにR&Bな伴奏にのって、ロバータ・フラックとダニー・ハサウェイが、ユニゾン、ハーモニー織り交ぜながら、感情豊かにシンプルに唄い上げていく。他にも、ジャズ・スタンダードな「For all we know」もシンプルで良い。他の曲も...皆...良い。
レジェンドなジャズ・ボーカルは苦手だけど、黒人が主役のR&Bのボーカルものは大好き。この辺が、私こと松和のマスターの複雑なところで、バーチャル音楽喫茶『松和』では、お昼ご飯が済んだ昼下がりに「R&Bのボーカルもの」をよく選盤する。これがまあ微睡むような心地良さで、これがもう「たまらない」。
震災から6年1ヶ月。決して忘れない。まだ6年1ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっとずっと復興に協力し続ける。
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