ジャケットに惚れて入手した盤
実はこの盤はジャケットに惚れて入手した。イラストっぽいジャズメン達も良し、タイポグラフィーも良し。とにかくデザインが良い。とてもジャズっぽい。見た瞬間に「これは」と思った。ジャズ盤のジャケットって、こんなデザイン的に優れたものが多い。
ジャケットのデザインが優れたジャズ盤の内容に外れは無い。この盤もその格言に外れることは無い。1996年当時の優れた内容のネオ・ハードバップ。パーソネルを見渡すと、オールスター・ジャムセッションか、と思うんだが、どうして、しっかりとアレンジされた、一期一会のまさにジャズらしい演奏がぎっしりと詰まっている。これには感心した。
そのジャズ盤とは、Jerry Bergonzi & Bobby Watson『Together Again For The First Time』(写真左)。1996年の作品。ちなみにパーソネルは、Jerry Bergonzi (ts), Bobby Watson (as/ss), Kenny Barron (p), David Finck (b on 1-4,6,9), Curtis Lundy (b on 5,7,8), Victor Lewis (ds)。
バーガンジィーのテナー、ワトソンのアルト&ソプラノの2管フロントのクインテット構成。全編に渡って、バーガンジィーのテナーとワトソンのアルト&ソプラノの2管による応酬は聴き応え十分。破綻無く、とても端正で流麗。アドリブフレーズは歌心満載で聴いていてウキウキする。
そうそう、ジェリー・バーガンジーとは、いわゆるボストン派テナー・サックスの重鎮。圧倒的なテクニックと鮮やかなアドリブ・フレーズが個性。1947年生まれなので、今年で70歳になる。この盤の録音時は49歳。ベテランの域に達しつつある充実の頃。
バックのリズム・セクションも良い。ピアノがケニー・バロン、これがまあ、端正で堅実なバッキングを繰り広げている。この盤の安定はバロンのピアノによるところが大きいのでは。そして、ビクター・ルイスのドラミングが素敵だ。凄くハードバップしている。この盤の爽快感とスピード感はルイスのドラミングによるところが大きい。
1996年の時代に、これだけ内容のあるネオ・ハードバップな演奏が繰り広げられていたとは改めて感心した。ジャズって確実に進化していたんですね。しっかりとアレンジされた、一期一会のまさにジャズらしい演奏は、その爽快感とスピード感がゆえ、1950年代のハードバップには無いものです。1996年の時代だからこそ為し得た、ジャズの成果だと感じます。
ジャケットに惚れて入手して、その盤聴いて感心する。ジャズ盤をずっとコレクションして聴き続けてきて、なんだか幸せだなあ、と思う瞬間です。
震災から6年1ヶ月。決して忘れない。まだ6年1ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっとずっと復興に協力し続ける。
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