活き活きとしたハンクが躍動する
いやいや驚いた。こんなライブ盤があったなんて、『僕が選んだ「いい音ジャズ」201枚〜オーディオファンも聴いておきたい優秀録音盤』を読んで、僕はその存在を初めて知った。いやいや申し訳ない。ハンク・ジョーンズのピアノが大好きなのに、このライブ盤は全くノーマークだった。
Hank Jones『Trio 1979』(写真左)。サブタイトルが「Live in Japan」。1979年、日本は鹿児島でのコンサートのライヴ録音である。2010年にリリースされた。ちなみにパーソネルは、Hank Jones (p), George Duvivier (b), Shelly Manne (ds)。
燻し銀なバップ・ピアニストであるハンク・ジョーンズ。典雅でブルージーで、そこはかとなくファンクネス漂い、タッチが明快で流麗。そんな小粋なハンクのピアノを心ゆくまで堪能出来るライブ盤である。こんなライブ音源が残っていたなんて、なんて勿体ない。収録されたスタンダード曲もどれもが魅力的な選曲で、いやはや凄いライブ盤だ。
そして、ベースがジョージ・デュビビエ、ドラムがシェリー・マン。ジャズ者ベテランであれば、この二人の名前を見れば「うへへ〜」である。二人ともハードバップ・ジャズの名手中の名手。デュビビエの骨太で鋼の様にしなやかなアコースティック・ベース。マンの様々なテクニックを繰り出すが決して耳に付かない、小粋で職人芸なドラミング。
そしてそして、この3人のトリオのダイナミズムがバッチリ録音されているのだ。この盤、異様なまでに音が良い。1979年の録音であるが、異様なまでに音が良い。生々しく躍動感溢れ、それぞれの楽器の音が自然に響く。コンサートホールの奥行きもしっかり感じられ、ライブ感が半端無い。これ、凄いですぞ。一聴の価値ありです。
2010年5月、91歳で他界したジャズ・ピアノの巨人、ミスター・スタンダードことハンク・ジョーンズの追悼盤。しかし、ハンクはあの世に旅立ってから、もう7年になるのか。しかし、録音資産とは有り難いもので、この盤は僕達を1979年の鹿児島のコンサート会場へ連れて行ってくれる。この『Trio 1979』には、活き活きとしたハンクが躍動している。
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