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2017年2月24日 (金曜日)

スウェーデン・ジャズの好盤

北欧ジャズ、スウェーデン・ジャズである。なかなか情報が潤沢に無いので選盤には苦労するのだが、さすがは、老舗ジャズ喫茶のマスターである。ジャズ喫茶御用達のジャズ盤のラインアップの中に、この盤があった。聴いてみた。これがなかなか良い。

『Per 'Texas' Johansson』(写真左)。1997年1月、ストックホルムでの録音。ちなみにパーソネルは、Per 'Texas' Johansson,  Fredrik Ljungkvist (ts, b-cl), Dan Berglund (b), Mikel Ulfberg (ds)。基本はピアノレスの変則トリオ。リーダーのヨハンソンとユンクヴィストの双頭テナーのフロントがユニーク。

冒頭のタイトル曲「Holon」を聴けば、明らかに「欧州ジャズ」であることが判る。ストレートでシンプルで力強い、ファンクネスが限りなく僅少で、音の響きに透明感が半端ない。演奏内容は限りなくフリーに近いが、決してフリー・ジャズには傾倒しない。ぎりぎりのところで、メインストリームな純ジャズに留まる。音数は厳選され、間を活かしたアドリブフレーズは明らかに「北欧」。

Per 'Texas' Johanssonは、1970年、スウェーデンはセーデルテリエの生まれ。1990年辺りから、Stockholm Jazz Orchestraなどで頭角を現す。我が国ではほとんど無名状態のテナー奏者。当然、僕もこの盤を聴くまでは、ヨハンセンの名は全く知らなかった。
 

Per_texas_johansson

しかし、この盤を聴けば、ヨハンソンのテナーの素性の良さをビンビンに感じる。とにかくテナーが良く鳴る。ユニークなのは、この盤に限ってなのかもしれないのだが、ジョン・コルトレーンの陰を感じないのだ。

現代のジャズ・テナーの若手〜中堅と言えば、ほとんどがコルトレーンの影響下にあると言って良い。しかし、ヨハンセンにはそれがない。あるとすれば、ヤン・ガルバレクの影響が見え隠れするくらい。ガルバレクはノルウェー出身のテナー奏者だが、同じ北欧ジャズのテナー奏者、音の響きの中の透明感やストレートな吹きっぷりといい、スタイルがどこか底で通じているものがあるみたいだ。

スローでシンプルなデュオ基調の曲から、ミッドテンポの透明度が高く透明感のあるポジティブな展開の曲まで、全くそつなく吹き判るヨハンセンの力量は素晴らしいものがある。曲やテンポに左右されること無く、悠然と余裕を持ったアドリブ展開は一級品です。

欧州ジャズは面白い。個性豊かなジャズメンが揃っているのも何と無く判ってきた。このヨハンセンもそんな中の一人。ミドルネームの「Texas」の通り、テキサステナーのような太いテナーを吹くが、基本的にファンクネスは僅少。これがユニーク。これが欧州ジャズ、北欧ジャズの個性のひとつなのである。
 
 
 
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Never_giveup_4

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