ジャズ喫茶で流したい・99
ジャズのアルバムって、なにも1950年代から1960年代のジャズ・ジャイアント達の定盤ばかりが好盤ではない。ジャズの裾野は広い。優秀な一流ジャズメンの数は意外と多い。何気なくダウンロード・サイトなどを彷徨っていると、これは、と思わず口元綻ぶ好盤に出会うことがよくある。
英国ジャズのアルバム・カタログを手にダウンロード・サイトを彷徨っていて、John Taylor(ジョン・テイラー)というピアニストに出会った。どこかで聞いたことのある名前やなあ、とつらつら記憶を辿っていたら、そうでした、ECMで素敵なアルバムを出しているピアニストであることを思い出した。
ジョン・テイラーは、1942年英国マンチェスター生まれ。惜しくも2015年に鬼籍に入りました(72歳没)。そうそう、僕はこのジョン・テイラーについては、1973年の作品『 Decipher(邦題:覚醒)』が愛聴盤だったことも思い出しました。明確に欧州的な、しっかりした骨太のタッチでありながら、リリシズム溢れるピアノが個性。
そんな彼の2007年リリースの盤にバッタリと出会った。John Taylor『Whirlpool』(写真左)。ピアノ・トリオ盤である。ちなみにパーソネルは、John Taylor (p), Palle Danielsson (b), Martin France (ds)。ベースが、これまたECM御用達のベーシスト、パレ・ダニエルソンである。このトリオ盤、きっと内容は良いぞ、と期待する。
リリカルで耽美的な、豊かな響きの流麗なピアノ。骨太でソリッドなアコースティック・ベースが唸りを上げてベースラインを支える。そして、そこに切れ味の良くエッジの立った、とってもテクニック豊かなドラムがビートを供給する。ファンクネスはほぼ皆無。透明感溢れる旋律。明らかに欧州的な音世界。
ピアノ、ベース、ドラムが対等に渡り合う、丁々発止と繰り広げられるインタープレイが素晴らしい。全8曲、全編計55分の長さですが、決して飽きない、どころかあっと言う間の55分です。適度なテンション、緩みの無いアドリブ展開、豊かな曲想の収録曲。それらが相まって、聴きどころ満載の好盤に仕上がっています。
震災から5年10ヶ月。決して忘れない。まだ5年10ヶ月。常に関与し続ける。がんばろう東北、がんばろう関東。自分の出来ることから、ずっと復興に協力し続ける。
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